【人間と罪について①】（信仰の基本シリーズ３）

全７シリーズ 　各３回　月曜-水曜
「神は言われた。『我々のかたちに、我々の姿に人を造ろう。そして、海の魚、空の鳥、家畜、地のあらゆるもの、地を這うあらゆるものを治めさせよう。』」 （創世記1章26節）
　人間は偶然この世に生れたのではありません。神さまの意志により、しかも「我々のかたち」つまり三位一体の神に似せて「神のかたち」に造られた貴重な存在です。「神のかたち」として創造されたということは、神さまの性質である意思、感情、知恵を与えられ、三位一体の神ように、交わりの中で生きる者として造られたのです。 私たちが考えたり、感情をもったり、人を愛することができるのは、私たちが「神のかたち」に造られているからです。神の似姿として誰もが尊い価値があります。神さまは人を「わたしの目には、あなたは高価で尊い。」（イザヤ43:4新改訳2017）と言われました。ですから、人を傷つける行為は神の似姿であり「高価で尊い」と私たちを造られた神さまの御心に反することです。「なぜ殺人がいけないのか？」と問われれば、その根源的な理由がここにあります。いじめ、殺人、戦争、死刑など「神のかたち」である、人の命と尊厳を傷つける行為を認める理由はどこにもありません。 神さまが天地創造の時に造られ「良かった」とされた素晴らしいこの世界を、神さまは人間に「あらゆるものを治めさせよう」と、「治める」責任を与えられました。私たちには知恵と良心が与えられているので、神さまの御心に従って正しく治めていくことができるのも「神のかたち」に造られているからです。このように、もともと神さまは私たちを素晴らしい者として創造してくださったのです。 　ところが、最初に創造されたアダムとエバは、神さまのような善悪の知識が欲しくなって、神の信頼を裏切り、命令を守りませんでした（創世記3:6）。二人が犯した罪とは、自分たちが神のようになろうとする重大な罪であったのです。こうして人間の中に罪の性質が入り、現在のように罪を犯す存在になってしまったのです。それにも関わらず、神の人間に対する愛は変わることがありません。
《祈り》主よ、人とは何者でしょうか。あなたが造られたこの私たちを、あなたは高価で尊いと言ってくださいます。あなたが愛してくださっているということ、それが私たちの大いなる価値です。
牧師　和田一郎
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