クリスマスの思い出

「一切れの乾いたパンしかなくとも平穏であるのは/いけにえの肉で家を満たして争うことにまさる。」(箴言17:1)
 今日から十二月、今年もクリスマスの季節がやって来ました。この時期、いつも心に浮かぶ思い出があります。高校時代、交換留学生として一年間お世話になったベイリーさんの家庭のことです。  経済的には必ずしも裕福ではありませんでしたが、温かい家庭で、思春期の男の子四人、泣いたり、笑ったり、怒ったり、その輪の中に迎えてくれました。  アドベントになり居間にツリーが飾られました。そこには日ごとにプレゼントが置かれていきました。  ある日、誰もいない居間に入りプレゼントの包みを確認すると、私の名前のある包みは一つもありませんでした。分かっていましたが多少がっかりしました。  クリスマスの朝、子どもたちが居間に集まり、母がツリーの下からプレゼントを取り出し名前を読み上げ、父から手渡されました。プレゼントがないことを知っていた私は、冷静にその場にいました。  ところが、母が私の名を読み上げ、父から赤い包みが渡されました。その瞬間、冷静さは吹き飛び、期待感が沸き起こってきました。するとまた呼ばれプレゼントが手渡されました。何度も呼ばれ、終わってみると膝の上にプレゼントが一杯でした。 その家では貰ったプレゼントをベッドに並べ記念に写真を撮るのが習慣でした。私もそうしました。 撮った後、贈り主は誰だろう、と包みに書かれた筆跡を見た途端、嬉しさが申し訳なさに変わってしまいました。全て母の筆跡でした。家計のやりくりで大変な母が、こんなにたくさんのプレゼントをくださった。兄弟たちとのバランスを考え、必要なものを買い揃えてくれた。すると申し訳ない気持ちが次第に喜びに変わってきました。ベイリーさんの家庭はクリスチャンホームでした。 彼らはほんとうの豊かさを、私に教えてくれたように思います。
いってらっしゃい。
牧師 松本雅弘
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