歴史的事実の宣言として

「最も大切なこととして私があなたがたに伝えたのは、私も受けたものです。すなわち、キリストが、聖書に書いてあるとおり私たちの罪のために死んだこと、葬られたこと、また、聖書に書いてあるとおり三日目に復活したこと、ケファに現れ、それから十二人に現れたことです。」 (コリントの信徒への手紙一15章3-5節)
 先週まで15回にわたって「使徒信条」を藤本満先生の著書『わたしの使徒信条』より見てきました。私たちが毎週の礼拝の中で告白している「使徒信条」は、8世紀頃に成立したとされますが、その原型は2世紀後半から教会で用いられていた「古ローマ信条」にあります。ヒッポリュトスの『使徒伝承』(3世紀初頭)には既にその形が記されており、洗礼志願者への問いかけとして三つの信仰告白が問われていました。 ・あなたは全能の父なる神を信じますか。 ・あなたは神の子イエス・キリストを信じますか。 ・あなたは聖霊と聖なる教会、体の復活を信じますか。 当時、他宗教からの改宗者の急増にともない多様な教えが教会に入り込み、正しい信仰を守る必要性が高まりました。「古ローマ信条」は、受洗者の教育とともに正しい教理を示すために作られ、異端を退ける役割をもっていました。その後、教会会議を経てニカイア・コンスタンティノポリス信条などが整えられ「使徒信条」は広く教会で受け入れられるようになります。宗教改革者ルターも、使徒信条を重んじ『小教理問答』に用いました。その理由は、この信条が教派を超えた公同性をもつからです。使徒信条は父・子・聖霊を告白しますが、特にイエス・キリストの生涯と業に多くの言葉が割かれていて、それがキリスト教信仰の核心を示しています。 重要なのは「使徒信条」が教理の要約ではなく、神が歴史の中でなされた事実の宣言だという点です。 そして、同じように使徒パウロはコリントの手紙の中でキリスト教信仰の中心的な福音として「キリストが・・・私たちの罪のために死んだ」ことを、歴史的な事実として「最も大切なこと」だと語っているのです。
《祈り》主なる神さま、あなたが御子をこの世に遣わし、私たちの罪のために十字架で死なれ、三日目によみがえらせてくださったことを、私は歴史の事実として受け入れ感謝します。主の死と復活が私の救いの確かな土台です。この信仰を守り続けさせてください。
牧師 和田一郎
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