フリースジャケット物語

「神は彼らを祝福して言われた。『産めよ、増えよ、地に満ちて、これを従わせよ。海の魚、空の鳥、地を這うあらゆる生き物を治めよ。』」 (創世記1章28節)
 かつて私が会社勤めをしてた時、ビジネス書の中で『社員をサーフィンに行かせよう』というユニークな経営者の本を読んでいました。著者は1970年代にアメリカでアウトドアブランド「パタゴニア」を創業したイヴォン・シュイナードです。彼はもともとクライミング愛好家で、自分で使うためのクライミングギアを作り始めたことが創業のきっかけでした。シュイナードは世界中を旅しながら活動し、スコットランドで見つけた丈夫なラグビーシャツを仲間に紹介したことからアウトドアウェアの販売を開始しました。 その後、彼はより快適で機能的な製品を求め、フリース素材の開発に挑戦します。従来のウールセーターは暖かいものの、濡れると重く乾きにくいという問題がありました。そこでポリエステル製の軽量で速乾性のある素材を探し、モルデン・ミルズ社と共同で世界初の本格的なフリースセーターを開発しました。 さらに、シュイナードは環境問題にも真剣に取り組みます。フリース製品に多用される石油由来ポリエステルの環境破壊を調べ、ペットボトルを再利用する開発に着手しました。そして1993年、廃棄されたペットボトルを活用したフリースジャケットを初めて製品化。自然環境保護と製品開発を両立させた革新的なブランドとして、パタゴニアは世界中のアウトドア愛好者から支持されています。シュイナードは「健康な地球がなければ、顧客も社員も存在しない」という理念を掲げ、自然と共生する企業経営を貫きました。 創世記で、「産めよ、増えよ、地に満ちて、これを従わせよ。海の魚、空の鳥、地を這うあらゆる生き物を治めよ」と神は宣言しました。「治めよ!」という御言葉は、神が人間に自然環境を破壊する権利を与えたのではなく、「良い管理者(スチュワード)」として地球を大切に守り育てる使命を託されたことを示しています。パタゴニアのシュイナードの経営理念の中にも「サステナビリティ(持続可能性)」と「スチュワードシップ(良い管理者)」が、経営理念の根底にあります。 彼は小学校の時にイジメにあってカトリックの学校に転校してシスターに守られたことを述べていましたので、経営理念の中に聖書観が反映していたのかも知れません。神さまから「治めよ!」とされた管理責任、神が創造された環境の「持続可能性」。神に造られた自然と人間は切り離せないのです。
《祈り》主よ、委ねられた自然を壊すことなく、共に生きる知恵をお与えください。
牧師 和田一郎
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