「待ち切れなかった」 アブラハムの生涯⑤
「サライはアブラムに言った。『主は私に子どもを授けてくださいません。どうか私の女奴隷のところに入ってください。そうすれば私は彼女によって子どもを持つことができるかもしれません。』アブラムはサライの願いを聞き入れた。」 (創世記16章2節)
アブラハムとサライは、神さまから「あなた自身から生まれる者が跡を継ぐ」(創15:4)その子孫が「大いなる国民となる」約束を受けていました。しかし、年月が経っても子どもは与えられませんでした。アブラハムはすでに八十五歳、サライも高齢でした。十年もの間、祈りと希望をもって待ち続けましたが、二人は「待ちきれなかった」のです。 サライは女奴隷ハガルを夫に与え、彼女を通して子を得ようとしました。「私は彼女によって子どもを持つことができる・・・」と。つまり「神さまによって」ではなく自分の知恵に頼ってしまったのです。人間的には合理的で、当時の習慣にも合っている方法でした。けれども、それは神の約束を信じ切れず、自分たちの知恵と力で解決しようとする選択でした。結果はどうだったでしょうか。 ハガルは妊娠したことでサライを軽んじ、サライは嫉妬と怒りに燃え、家庭は争いと不和の修羅場と化していきました。待ちきれずに人間の手で約束を実現させようとしたとき、そこに喜びはなく、むしろ深い苦しみが生まれてしまったのです。憎しみと対立の場となってしまった家族に勝者などいません。誰もが傷つき、不幸になっていきます。とりわけ一番弱い立場に置かれていたハガルは家を飛び出してしまいました。悲しい出来事の原因は、サライが「女奴隷を通して子どもを得よう」と提案したことにありました。そしてアブラムもその提案を受け入れてしまったのですから、二人が神様の約束を最後まで待ちきれず、自分たちの知恵や工夫で解決しようとした結果だったのです。 逃げ出して孤独になった女奴隷ハガルに、神の使いが現れて「主があなたの苦しみを聞かれた・・・」(創16:11)と語りました。神は、弱く愚かな人間の失敗のただ中にも目を留め、憐れみを注がれたのです。
《祈り》主よ、私たちは待ちきれず、自分の力で答えを出そうとしてしまいます。このせっかちな心を憐れんでください。あなたの時は遅れることなく、最も良い時に実現することを信じる信仰を与えてください。
牧師 和田一郎
ご感想は下まで(スマホ・パソコンの方向けです) forms.gle/EkE9N8gDaJQ7ee2L9
発行者名 高座教会 www.koza-church.jp/
アブラハムとサライは、神さまから「あなた自身から生まれる者が跡を継ぐ」(創15:4)その子孫が「大いなる国民となる」約束を受けていました。しかし、年月が経っても子どもは与えられませんでした。アブラハムはすでに八十五歳、サライも高齢でした。十年もの間、祈りと希望をもって待ち続けましたが、二人は「待ちきれなかった」のです。 サライは女奴隷ハガルを夫に与え、彼女を通して子を得ようとしました。「私は彼女によって子どもを持つことができる・・・」と。つまり「神さまによって」ではなく自分の知恵に頼ってしまったのです。人間的には合理的で、当時の習慣にも合っている方法でした。けれども、それは神の約束を信じ切れず、自分たちの知恵と力で解決しようとする選択でした。結果はどうだったでしょうか。 ハガルは妊娠したことでサライを軽んじ、サライは嫉妬と怒りに燃え、家庭は争いと不和の修羅場と化していきました。待ちきれずに人間の手で約束を実現させようとしたとき、そこに喜びはなく、むしろ深い苦しみが生まれてしまったのです。憎しみと対立の場となってしまった家族に勝者などいません。誰もが傷つき、不幸になっていきます。とりわけ一番弱い立場に置かれていたハガルは家を飛び出してしまいました。悲しい出来事の原因は、サライが「女奴隷を通して子どもを得よう」と提案したことにありました。そしてアブラムもその提案を受け入れてしまったのですから、二人が神様の約束を最後まで待ちきれず、自分たちの知恵や工夫で解決しようとした結果だったのです。 逃げ出して孤独になった女奴隷ハガルに、神の使いが現れて「主があなたの苦しみを聞かれた・・・」(創16:11)と語りました。神は、弱く愚かな人間の失敗のただ中にも目を留め、憐れみを注がれたのです。
《祈り》主よ、私たちは待ちきれず、自分の力で答えを出そうとしてしまいます。このせっかちな心を憐れんでください。あなたの時は遅れることなく、最も良い時に実現することを信じる信仰を与えてください。
牧師 和田一郎
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