神が見せてくださる恵み

「そして、主は彼(モーセ)に言われた。『これが、アブラハム、イサク、ヤコブに対し、私があなたの子孫に与えると誓った地である。私はあなたの目に見せるが、あなたはそこに渡って行くことはできない。』」 (申命記34章4節)
 1632年A・レーウェンフックという男は、オランダの小さな町デルフトで生まれた。織物店の家に生まれ、この町で織物店を開いた。ところが彼はあるものに熱中する。布や反物を調べる必要性から使っていた虫メガネを加工して、顕微鏡を自分で作り、憑かれたように観察を始めたのだ。その顕微鏡は金属板の中央にガラス球をはめ込んだだけのシングル・レンズだった。しかしその原始的な顕微鏡は、驚くなかれ300倍近い倍率を実現していた。これは現在の研究者が使っている光学顕微鏡に十分匹敵する。彼はレンズ磨きに秘技を持っていたのだ。どのようにしてこのようなレンズを作りえたのかはいまだに謎だそうである。 ある日、彼は考えた「胡椒が辛いのは、粒々に小さなトンガリがあるからではないか?」そのトンガリを見つけるため、胡椒を水に溶かして何週間も水の中に漬けておいて、一滴取って彼は覗いた。そこには驚嘆させるに光景が広がっていた。胡椒も、粒々も、トンガリもどうでもよかった。多数の小さな生きものが、みごとに動き回って信じがたいほど光っていたのだ。レーウェンフックは、肉眼では見えないほど小さな生物がこの世界に満ちあふれていることを初めて「見た」人間である。水中の微生物、赤血球、白血球、それよりさらに微細な精子の発見。熱意が生んだ想定外の恵みであった。 彼は科学者ではない。名もなきアマチュアが生物学史上、画期的な大発見を成し遂げたのだ。彼の素朴で熱意に満ちた観察がそれを可能にした。彼は、人類が見えなかったものを初めて見えるようにしたのだ。 (福岡伸一著『フェルメール隠された次元』より)  モーセは40年の荒れ野の旅の終わりに、約束の地を目前にして、そこに入ることはできませんでしたが、神はネボ山にあるピスガの頂から、その地を彼に見せてくださいました。モーセは神の約束の確かさと恵みを、その目で見て生涯を閉じたのです。 レーウェンフックが、それまで見えなかった小さな命を見て感動したように。神は私たちにも「見えなかった恵み」を見せて励ましてくださる方です。たとえ手に入らない時があっても、神は必要なときに、心を励ます光景を示してくださるお方です。
《祈り》主よ、あなたが見せてくださる恵みは、想像を超えています。願いがかなわない時も、あなたは最善を備えておられることを信じることができますように。
牧師 和田一郎
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