「第一次伝道旅行―未知への旅立ち」 その時パウロは考えた⑦

全12回 月曜-火曜
「彼らが主を礼拝し、断食していると、聖霊が告げた。『さあ、バルナバとサウロを私のために選び出しなさい。私が前もって二人に決めておいた仕事に当たらせるために。』そこで、彼らは断食して祈り、二人の上に手を置いて出発させた。」 (使徒言行録13章2-3節)
 アンティオキアの教会は、祈りと断食の中で聖霊の声を聞きました。それは、パウロとバルナバを新しい働きへと送り出すという、教会全体にとっても挑戦となる命令でした。二人がこれからどこへ向かい、どんな働きをするのか、すべてが明らかにされていたわけではありません。 むしろ神が「前もって決めておいた仕事」とは、神のみぞ知る道でした。思い起こせば、アブラハムも行き先を知らずに旅立ちました。モーセも「約束の地カナン」という知らない土地へと、試練と不安を抱えながら歩み続けました。信仰者の旅はいつも、未知への出発です。神さまはしばしば、先の景色が見えない道へと私たちを招かれます。そこにこそ、私たちの心を鍛え、信頼を深め、愛を広げる場が備えられているからです。 事実、パウロの旅は順風満帆ではありませんでした。迫害も拒絶もありました。町から追われ、石打ちに遭い、命の危険を感じる場面もありました。それでも彼らは新しい町へと進みました。成功も失敗も、自らの手柄とせず、主の導きとして受け止め、また歩き出していったのです。 未知の道を歩む者だけが見る風景があります。そこで与えられる出会い、痛み、喜び、そして「自分は神に遣わされている」という揺るぎない確信。これこそが、パウロが生涯追味わい続けた幸いでした。神の導きに従う道は容易ではありません。しかし、神が共に歩まれるその道こそ、最も豊かで美しい人生なのです。 その時パウロは考えた:「新しい道を歩む時にだけ見える風景。そこに主の働きがある」
《祈り》神さま、新しい一歩を踏み出す時、不安やためらいがあります。実はそれは、あなたが、私たち一人ひとりに「前もって備えられた道」かも知れません。今日もあなたは私たちを未知の働きへと招いておられます。行き先がすべて見えない時にも、あなたは共におられ、導いてくださることを信じます。
牧師 和田一郎
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