御言葉の真理は自由を与える
「あなたたちは真理を知り、真理はあなたたちを自由にする。」(ヨハネ8:32)
ある時、イエスさまはある男に対して「名は何というのか」と尋ねました。すると彼は「名はレギオン。大勢だからです」と答えたのです。
彼は、自分にしか与えられていない「本当の名」?言い換えれば、自分が誰なのかがわからなくなっていました。
想像ですが、彼の親は「ああしなさい、こうしなさい、ああしては駄目、こうしては駄目」と、先回りし?すべてに干渉した「子育て」をしたのかもしれません。
「ああなって欲しい?こうなって欲しい・・・」と育てられたものですから、自分の頭で考え?自分の心で感じるのではなくて、指示を待ち、顔色を伺い、期待に応えようとする《よい子》を一生懸命に演じてきたのかもしれません。
周囲の期待や役割という「たくさんの自分」を演じ、その結果、「多くのレギオン」に取り付かれていたのでしょう。
ですから、イエスさまに「あなたの本当の名前は何ですか」と尋ねられるまで、本当の自分が何なのか、分からなくなっていたのではないかと思います。
つまり、あなたを心から愛し、創造の前から母親の胎内で形づくってくださった「真の親」である神さまの語りかけを第一に聴きながら生きてゆかず、その都度、人の顔色を伺い、その場その場における役割だけを果たして生きていたら、結局、このレギオンを宿した、この人のようになるのではないでしょうか。
あなたが本当の意味で〈自分は自分でよかったな〉と思えるのは、神さまとの交わりによるのです。あなた自身の固有の名を呼んでいただき、真理の御言葉を通して語りかける神さまの御声を聴き、その御声を心に受け止める時、本当の自分を生きることができる。
つまり真理の言葉を通して語りかける神の語りかけの中で、あなたは本当の自由を経験することができるのです。
いってらっしゃい。
牧師 松本雅弘