てぶくろと宿屋

「宿屋には彼らの泊まる所がなかったからである。」(ルカ2:7)
 あなたは、ウクライナ民話『てぶくろ』という絵本をご存知でしょうか。  ある時、森を歩いていたお爺さんが、手袋を落としてしまうのです。そこに一匹のねずみがやってきて、その中に入り込みます。しばらくすると、カエルがその手袋を見つけ、中に入っているネズミに「私も入れて」と頼むのです。ネズミは快くカエルを迎えます。次にウサギがやってきて、やはり中に入れてもらいます。  次にキツネがやって来て、やはり中に入れてもらうのです。  不思議なことに手袋は次第に大きくなるのですが、彼らの心配をよそに、柔軟に伸びて、スペースが広がっていくのです。  次に来たのがオオカミです。小さい動物たちは、この恐ろしい顔をしたオオカミを仲間に迎えます。そしてイノシシです。最後に、クマがやって来ます。彼が入ったらはちきれてしまうだろうと思うのですが、手袋の住人たちは色々言いながらも迎え入れるのです。大きさや姿かたちもちがう動物たちを包み込んだ手袋は、不思議なほどに柔軟性を発揮するのです。 現在、この世界で争いが絶えません。本来、全ての人は、神さまから愛され、手袋の住人となる権利を持つ者として生かされているはず、自分とは違った人々を受け入れる責任が、私たちにはあります。ところが、いま世界には、そうした権利をはく奪された人々が、大勢いるのです。 主イエスが、ベツレヘムの貧しい飼い葉桶に誕生し、弱い「赤ちゃん」としてお生まれなさったのは、とりもなおさず、手袋の住人となる権利を持つにもかかわらず、手袋の外に追いやられた人々を、再び神の愛の手袋に迎え入れるためでした。 主イエスの神はどこにおられ、誰と連帯しておられるかをもう一度、思い巡らす時とさせていただきたいと思います。
 いってらっしゃい。
 牧師 松本雅弘
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