証しし続けよう

「ある夜のこと、主は幻の中でパウロにこう言われた。『恐れるな。語り続けよ。黙っているな。私はあなたと共にいる。だから、あなたを襲って危害を加える者はない。この町には、私の民が大勢いるからだ。』パウロは一年六か月の間ここにとどまって、人々の間で神の言葉を教えた。」(使徒18:9−11)
 パウロは、コリントに来る直前、アテネで伝道しました。でも思うような成果が得られず、肩を落とすようにコリントに向かったのです。 でも、そうした中で、神さまはパウロに幻を示されました。それが今日の聖句です。 その結果、彼は励まされ、1年6カ月の間、コリントに腰を据えて伝道活動に打ち込むことになります。ここに出てくる「この町には、私の民が大勢いるからだ」という言葉は、私たちにも与えられている約束です。 私たちが「福音の言葉」という神の民の共通語を語るように、あのペンテコステの日にエルサレムに集まった人々の中にも、潜在的な神の民がいて、その共通語に反応してきたのです。 今、日本の教会は「衰退期」に突入したとも言われています。そのような意味で、証しすることの困難さを経験します。 でも、アウグスチヌスが、「人は神に向けて造られており、人の心は神に憩うまでは安らぎがない」と言い、パスカルが、「人の心は神によってしか満たされない空洞が空いていて、神以外の何ものをもってしてもそれを満たすことができない。神によってその空洞が満たされるとき、人は生きる」と語るように、全ての人が神のかたちに似せて造られているならば、必ず、その深いところに神を求める渇きがあるはずです。 この渇きにこそ、実は、福音宣教の可能性と接点があります。 私たちは今日も、「福音の言葉」の力を信じ、祈りつつ、忍耐をもって、愛する方たちに証ししていけたらと願います。
いってらっしゃい。
牧師 松本雅弘
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