変わらないからこそ、変わっていくのだ

「こう言われているからです。『人は皆、草のようで その栄えはみな草の花のようだ。草は枯れ、花は散る。しかし、主の言葉は永遠に変わることがない。』これこそ、あなたがたに福音として告げ知らされた言葉なのです。」 (ペトロの手紙一1章24-25節)
 「不易流行(ふえきりゅうこう)」という、松尾芭蕉の言葉があります。俳句を詠みながら「奥の細道」の旅をする中で得た考えだそうです。 いつまでも変わらないことを指す「不易」と、時代に応じて変化することを示す「流行」という、相反する概念がひとつになった言葉で、変わることのないものを追い求め続けるために、むしろ変わっていかなければならない。変わらないからこそ、変わっていくのだ。芭蕉は常に変わりゆく旅を日常としながら、不動のものを求めていたのでしょう。  「福音」とは原語のギリシャ語では「良い知らせ」という意味で、イエス・キリストによって人間の罪は赦され、「永遠の命」を得ることができるという、変わることのない真理をさす言葉です。ペトロは『旧約聖書』の言葉を引用して、草花は綺麗に咲き誇っても、やがて枯れ果ててしまうが、神の言葉どおりに与えられた「福音」という真理は永遠不滅なものだと伝えています。
《祈り》神よ、変えることのできるものについて、それを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ。変えることのできないものについては、それを受けいれるだけの冷静さを与えたまえ。そして、変えることのできるものと、変えることのできないものとを、識別する知恵を与えたまえ。(ラインホルド・ニーバーの祈り)
牧師 和田一郎
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