大谷は何人か

「神は人を分け隔てなさらないことが、よく分かりました。どの民族の人であっても、神を畏れて正しいことを行う人は、神に受け入れられるのです。」 (使徒言行録10章34-35節)
 大谷翔平選手のメジャーリーグでの活躍は、人々の価値観に変革をもたらしました。ある日本人が仲の良い野球ファンのアメリカ人男性と話していました。「アジア人は野球を何もわかってない。バドミントンでもやってろよ!」とただの冗談のつもりで口にしました。日本人男性は「おいおい、いま野球界で最高の選手はアジア人だと思うんだけど」彼は「誰それ?」。そこで「大谷翔平だよ。名前聞いたことあるでしょ」と言ったら大笑い。彼は明らかに野球ファンですけれど、忘れてたんです。大谷が日本人だということを。大谷選手の活躍は、野球界の枠や、アメリカという枠を超えているので、もはや出身がアジアだとか、日本だという枠も超えて見られているのでしょう。一人のアスリートとして偉大な人物だと思われているのです。  イエス・キリストはユダヤ人として生まれました。しかし、イエスさまをユダヤ人だから・・・という目で見る人は少ないでしょう。今も生きておられるイエスさまは、国や人種の壁を壊して、すべての人の救い主として、それらを超えた存在です。そのことを使徒ペトロは「よく分かりました」と語りました。原文では「ほんとうによくわかってきました」というニュアンスが近い言葉です。ペトロは、自分に起こった変化に驚いているのです。以前は神さまの「救い」はユダヤ人だけで、異邦人には神の「救い」はないと信じていました。しかし、今はユダヤ人、ギリシャ人、どの民族でも神は分け隔てをならなない方だと確信しているのです。キリストの十字架がそれを可能にしてくださったのです。そして、その恵みを信じて、神に従うならば、自分でさえも人を分け隔てする性質から解放されるのです。ペトロは既に信仰者でしたが、さらに神さまの御言葉に従う者へと造り変えられ、キリストの福音は人種の壁を超えて、さらに広く宣べ伝えられていったのです。
《祈り》神さま、異邦人である私はイエスさまによって、神さまの子となることが赦されました。キリストの十字架がなければ、救いに与ることができませんでした。そのことを知る時、心から感謝の思いが湧きあがってくるのです。私の心が、人を分け隔てすることのないようにしてください。
牧師 和田一郎
ご感想は下まで(スマホ・パソコンの方向けです) forms.gle/EkE9N8gDaJQ7ee2L9
発行者名 高座教会 www.koza-church.jp/