境界線(バウンダリーズ)①尊重
「自分を捨て、自分の十字架を負って、私に従いなさい。」 (マタイによる福音書16章24節)
人間関係を考える時に、参考になるのが「境界線」(バウンダリーズ)の考え方です。相手と自分には、それぞれの領域があります。相手の領域は相手の責任、自分の領域は自分の責任。相手の領域を尊重し、自分の領域を大切にする。それをお互いに守ってこそ、良い関係が生まれるわけです。 私が小学校の低学年の頃、家の近くで新築の家を建てる現場がありました。そこには大工さんが山積みにした、四角や三角の木の切れ端がありました。それを見て「あの切れ端が欲しいな」と思ったのですが、大工さんに言う勇気がなくて帰ってきました。家で何気なく母にそのことを話しました。すると母は私を連れて建築現場に行きました。そして、現場のちょっと手前で止まって「ここで見ててあげるから自分で大工さんに言ってきなさい」と言ったのです。 私は、そこまでして切れ端を欲しいとは思いませんでした。そうとう嫌がったのを覚えていますが、何故かその時の母は毅然として粘り強く「自分で言いに行きなさい」と言って動かなかったのを覚えています。何十分二人でそこにいたか分かりません。根負けした私は、とぼとぼ歩いて行って、大工さんに超棒読みで「こ、れ、く、だ、さ、い・・・」と言うと、大工さんは心よく木の切れ端をくれたのです。今でも、その家を通ると思い出す、母との思い出です。その時の私の望みは、母が「分かったわ。お母さんが言ってあげる」と、私のニーズを満たしてくれることでしたが、母は私の領域を私が責任をもって守れるように、私の領域を尊重してくれたのだと思うのです。「あなたの領域だから、あなたが守りなさい」と尊重してくれた。教えてくれたのだと、今はそう思います。自分の領域は自分で責任をもつ、相手の領域を尊重する。それは夫婦でも、友人や仕事の関係でも、すべての人間関係に共通することです。 「自分の十字架を負う」というのは、イエスさまが死なれた処刑の道具である十字架で「自己に死ぬ」という意味です。つまり、自分の好き嫌いではなく相手を敬い、自分の使命・責任を背負うことです。自分の領域に責任をもつこと、それが境界線です。
《祈り》優しい神さま、あなたは時として私に厳しい試練をお与えになります。しかし、振り返って考えると、相手に要求する以前に、自分がやるべきことがあったことを思わされます。私が守るべき責任の範囲を教えてくださり、ありがとうございます。
牧師 和田一郎
ご感想は下まで(スマホ・パソコンの方向けです) forms.gle/EkE9N8gDaJQ7ee2L9
発行者名 高座教会 www.koza-church.jp/
人間関係を考える時に、参考になるのが「境界線」(バウンダリーズ)の考え方です。相手と自分には、それぞれの領域があります。相手の領域は相手の責任、自分の領域は自分の責任。相手の領域を尊重し、自分の領域を大切にする。それをお互いに守ってこそ、良い関係が生まれるわけです。 私が小学校の低学年の頃、家の近くで新築の家を建てる現場がありました。そこには大工さんが山積みにした、四角や三角の木の切れ端がありました。それを見て「あの切れ端が欲しいな」と思ったのですが、大工さんに言う勇気がなくて帰ってきました。家で何気なく母にそのことを話しました。すると母は私を連れて建築現場に行きました。そして、現場のちょっと手前で止まって「ここで見ててあげるから自分で大工さんに言ってきなさい」と言ったのです。 私は、そこまでして切れ端を欲しいとは思いませんでした。そうとう嫌がったのを覚えていますが、何故かその時の母は毅然として粘り強く「自分で言いに行きなさい」と言って動かなかったのを覚えています。何十分二人でそこにいたか分かりません。根負けした私は、とぼとぼ歩いて行って、大工さんに超棒読みで「こ、れ、く、だ、さ、い・・・」と言うと、大工さんは心よく木の切れ端をくれたのです。今でも、その家を通ると思い出す、母との思い出です。その時の私の望みは、母が「分かったわ。お母さんが言ってあげる」と、私のニーズを満たしてくれることでしたが、母は私の領域を私が責任をもって守れるように、私の領域を尊重してくれたのだと思うのです。「あなたの領域だから、あなたが守りなさい」と尊重してくれた。教えてくれたのだと、今はそう思います。自分の領域は自分で責任をもつ、相手の領域を尊重する。それは夫婦でも、友人や仕事の関係でも、すべての人間関係に共通することです。 「自分の十字架を負う」というのは、イエスさまが死なれた処刑の道具である十字架で「自己に死ぬ」という意味です。つまり、自分の好き嫌いではなく相手を敬い、自分の使命・責任を背負うことです。自分の領域に責任をもつこと、それが境界線です。
《祈り》優しい神さま、あなたは時として私に厳しい試練をお与えになります。しかし、振り返って考えると、相手に要求する以前に、自分がやるべきことがあったことを思わされます。私が守るべき責任の範囲を教えてくださり、ありがとうございます。
牧師 和田一郎
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