足が動かなくなったら腕を振れ!

「ペトロは言った。『私には銀や金はないが、持っているものをあげよう。ナザレの人イエス・キリストの名によって立ち上がり、歩きなさい。』」 (使徒言行録3章6節)
 「勝つ負けるは問題ではありません。とにかく走らせてください!」と陸上選手、人見絹江は言った。もともと走り幅跳びの世界記録保持者だった。しかし、1928年のアムステルダムオリンピックに走り幅跳び競技はなかったので「100m走なら金がとれる」とこの種目に絞って猛特訓をしてきた。日本初の女性五輪選手として期待されていた。予選は余裕の1位。準決勝は70mまではトップだったが3人に抜かれて、なんと予選敗退。決勝レースに参加できずに終わってしまった。あまりのショックで泣くこともできず、ホテルのベッドで堰を切ったように涙がでたという。 「このままでは帰国することはできない。未経験の800mにかけるしかない」。監督に直訴して出場することになったのです。作戦はトップグループについていってラスト100mでスパートをかけるというだけ。しかし、あまくはなかった。1周目で6位。やはり無理があったと誰もが思った2周目で3人を抜いた。しかし体はすでに限界点。彼女の頭に浮かんだのが監督の言葉「足が動かなくなったら腕を振れ!」夢中で腕を振り続けてゴールした時は失神して倒れてしまった。結果は銀メダル獲得。五輪日本女子史上初のメダル獲得となりました。 人見さんは極限の中で「足が動かなくなったら腕を振れ!」という言葉を思いだしました。足はこれ以上動かないが腕は動く。「もうない」と思っても、残されたものを用いて前に進むことができるという言葉に助けられました。 使徒ペトロとヨハネが、エルサレムの神殿の「美しい門」と呼ばれる所を通りかかったとき、足の不自由な男が施しを求めたのです。ペトロは「わたしには金や銀はない」と言いました。男が求めるようなものはないと。しかし、二人にはイエス・キリストの名による力がありました。お金はないが、キリストの名によって立ち上がらせることができる。それは金や銀より価値のあるものです。神さまは「もうない」とあきらめている私たちに、今すでに「持っているもの」。神の恵みに目を向けさせてくださいます。
《祈り》今、あなたの前に立つ一人の魂がいます。知恵も、力も、人からの評価も「価値」と呼べるものは持っていません。しかし「人はうわべを見るが、主は心を見る」(サムエル上16:7)本当の私の力を知ってくださるのはあなたです。すべてあなたに捧げます。
牧師 和田一郎
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