驚くべき作戦

「見よ、私は新しいことを行う。今や、それは起ころうとしている。あなたがたはそれを知らないのか。確かに、私は荒れ野に道を 荒れ地に川を置く。」 (イザヤ書 43章19節)
 紀元前3世紀、ローマ帝国がイタリア全土を支配することになると、それまでイベリア半島(スペイン)と北アフリカの覇権を握っていたカルタゴ軍が動き出し、地中海の覇権を賭けた戦いが始まりました。カルタゴの勇将ハンニバルは、ローマ海軍は崩せないと判断すると、驚くべき作戦に出ました。5万の兵と戦象37頭を従え、ピレネー山脈を越えてフランスに入り、イタリアの背後へ進軍したのです。 その先のアルプスの山々は、凍りついた岩肌に吹きつける雪。兵士たちは凍傷で足の感覚を失いますが、何より人々の目を疑わせたのは象でした。雪の中を巨大な象がゆっくりと進んでいく。あり得ない光景でした。ローマ軍は確信していました。敵が来るなら海からだと。港を固め、艦隊を整え、備えは万全でした。しかしその頃、誰も見ていないアルプス山脈から、象を率いたハンニバルの軍が姿を現します。想定していなかった方向から戦いが始まり、カルタゴ軍はローマに完勝したのです。 神の業は、いつも想定外です。イスラエルの民がバビロン捕囚の絶望の中にいたとき、神はこう語られました。「荒れ野に道を、荒れ地に川を設ける」と。これは、捕囚から解放された後のユダヤへの帰還のルートを預言しています。イスラエルの民が故郷に戻るためには、メソポタミアからパレスチナまで広大な荒れ野を横断しなければなりませんでした。当時それは困難なルートでした。帰りたくても帰れない。けれど神は、「それは不可能」と思うところに道を通してくださいます。人は安全な方向から救いを待ちますが、神は想定外の荒れ野に道を備えてくださったのです。
《祈り》主よ、私はあなたの力を過小評価していました。信仰とは、見える道を信じることではなく、道のないところから救いが来ると信じることだと、今、知りました。
牧師 和田一郎
ご感想は下まで(スマホ・パソコンの方向けです) forms.gle/EkE9N8gDaJQ7ee2L9
発行者名 高座教会 www.koza-church.jp/