素晴らしき哉、人生!

「そこで、イエスは言われた。『清くされたのは十人ではなかったか。ほかの九人はどこにいるのか。この外国人のほかに、神を崇めるために戻って来た者はいないのか。』それから、イエスはその人に言われた。『立ち上がって、行きなさい。あなたの信仰があなたを救った。』」 (ルカによる福音書17章17-19節)
 1946年公開された、映画『素晴らしき哉、人生!』は、観て幸せな気持ちになれるクリスマスにお勧めの古典映画の名作です。主人公ジョージ・ベイリーは、町の人々のために誠実に生きていました。ジョージは経営する会社を通して、人々の心も豊かにしていました。 しかし、ある日、叔父の手違いで会社が倒産の危機に陥り「自分など生まれてこなければよかった」と絶望します。そして、橋の上から身を投げようとした時、一人の老人が川に落ち、助けを求めます。ジョージが老人を救い出すと、その老人は「私は天使だ」と名乗ります。その天使はジョージの願いをかなえ、「もしあなたが生まれてこなかったら、この町はどうなっていたか」という世界を見せるのです。 そこには、貧しい人々を支えてきたジョージは存在しませんから、町は強欲な権力者によって支配され、人々は不寛容、優しい人が罵られ弱肉強食で、殺伐とした町になっていました。自分の存在が、これほど多くの人々を支えていたことを初めて知ったジョージは、現実の世界へ戻ると、生きていることの喜びに満たされ、雪の降る町を「メリークリスマス!」と叫びながら駆け抜けます。 この映画には、一つの教えがあります。それは「心の引き算」です。今まで当たり前だと思っていたものを、一度失ったと想像することで、今の幸せに気づくのです。 聖書には、十人の重い皮膚病を患っていた人がイエスによって癒やされた出来事が記されています。しかし、感謝を伝えるために戻って来たのは、ただ一人でした。イエスは「ほかの九人はどこにいるのか」と問いかけられます。九人も癒やされました。しかし、イエスによる癒しと健康は「当たり前」となってしまい、感謝を告げにきたのは一人だけでした。感謝とは、神が与えてくださった、すでにある幸せに気づく心です。もし家族がいなかったら、健康がなかったら、この命が与えられていなかったら・・・。そう「心の引き算」で考えたとき、当たり前と思っていた毎日が、実は神からの大きな贈り物であったことに気づくのです。その気づきは、感謝となり、感謝は人生を喜びで満たすでしょう。
《祈り》主よ、イエスさまによって癒やされた十人のうち、ただ一人だけが戻ってきて、あなたに感謝をささげました。私たちも、その人のように、与えられた恵みに気づき、感謝をもってあなたのもとへ帰る者としてください。
牧師 和田一郎
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