ハーフでなく、ダブルです

「神は人を分け隔てなさらないことが、よく分かりました。」 (使徒言行録10章34節)
 サッカーワールドカップ2026に日本代表ゴールキーパーとして活躍した鈴木彩艶(ざいおん)選手。小学生時代から才能を発揮していましたが、記者は「まるで大人と会話しているような感覚でした」と小学生から「自立した子ども」であったことを証言していますが、試合後のインタビューでも、言葉の選び方や配慮ある発言に素晴らしい人格が伝わってきます。ガーナ人の父と日本人の母を持ち、聖書にある「聖なる丘(Zion)」が名前の由来だそうです。 ある映画のワンシーンがあります。「きょうは外人、多いなあ!」「どこの国の出身ですか?」「日本で生まれました」「お~ハーフかいな」「ハーフじゃないです。ダブルです」「箸の使い方、上手やなあー、日本食は好きなん?」。ラーメン屋の客が、見た目が外国人のような若者に対し、立て続けに不躾(ぶしつけ)な言葉を放つ。いかにも不愉快といった表情で、自分のアイデンティティは半分(ハーフ)ではなくて、二つ(ダブル)あるのだと応じる若者。映画「WHOLE」の一場面です。この国に生まれ、育ったのに、日本人とみられない若者たちの心の葛藤を描いていました。 いま日本で生まれる子どもの100人に2人は、片親が外国人なのだそうです。彼らを外見だけで外国人扱いする偏見がまだまだあります。日本に多くの外国籍の人々が暮らすようになったことを、単なる社会現象として見るだけではなく、神さまの宣教の視点から見ることができます。 神は歴史の流れの中で人々を動かし、国境を越えて出会わせ、ご自身の神の家族を築いておられる。私たちが異国人を見る目を変えること、それは神がペトロに教えられた「神は人を分け隔てなさらない」という福音を、自分自身の生き方で証しすることなのです。私たちの国籍が天にあるとすれば、私たちもまた地上では異国人なのですから。(フィリピ3:20)
《祈り》天の神よ、私たちは、人を見た目で判断してしまう弱さがあります。どうか、あなたのまなざしで、隣人を見ることができるようにしてください。この国の教会が、国籍や文化、世代を超えて、誰もが安心して迎えられる神の家族となりますように。
牧師 和田一郎
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