いちばん人間にとって だいじなことなんだから

「喜ぶ者と共に喜び、泣く者と共に泣きなさい。」 (ローマの信徒への手紙12章15節)
 『ドラえもん(25巻)』に「のび太の結婚前夜」というエピソードがある。主人公のび太は、大人になってクラスメイトのしずかちゃんと結婚するのですが、その前夜、お嫁にいくしずかちゃんに、父は2ページにわたって優しく語りかけます。
しずか:「これまでずうっとパパやママに甘えたり、わがままを言ったり・・・。それなのに、何にもしてあげられなかったわ。」 父:「とんでもない。きみはぼくらに、数えきれないほどのすばらしい贈り物を残していってくれるんだよ。」 しずか:「贈り物?わたしが?」 父:「最初の贈り物は、きみが生まれてきてくれたことだ。そう。午前三時ごろだったよ。きみの産声が、天使のラッパみたいに聞こえた。あんなに楽しい音楽は、聞いたことがない・・・この広い宇宙の片隅に、ぼくの血を受け継いだ生命が、いま生まれたんだ。そう思うと、むやみに感動しちゃって、涙が止まらなかったよ。それからの毎日、楽しかった。満ち足りた日々の思い出こそ、きみからの最高の贈り物だったんだよ。少しくらい寂しくなっても、思い出が温めてくれるさ。」 しずか:「あたし・・・不安なの。うまくやっていけるかしら」 父:「やれるとも。のび太くんを信じなさい。あの青年は人のしあわせを願い、人の不幸を悲しむことのできる人だ。それが いちばん人間にとって だいじなことなんだからね。」
 聖書に「共に喜び、共に泣く」とあります。けれど、誰かの心に寄り添うのは簡単ではありません。人の悲しみについて行けない冷たさ、人の喜びを妬んで喜べない弱さがあります。それでも、私たちは神の愛に頼って祈ることはできる。不器用でも、その祈りと歩みの中に、主の真実の愛が宿るはずです。イエス・キリストも、人々の喜びの席に加わり、悲しむ人の前では涙を流されました。その主に支えられながら、喜ぶ者と共に喜び、泣く者と共に涙する者へと、近づいていくことができるです。
《祈り》愛する神さま、人々と共に喜び、悲しむ者と共に涙を流されたイエス様にならい、隣人の幸せや、痛みを自分のことのように受け止める心をお与えください。私たちの不器用な祈りと、小さな歩みを支えてください。
牧師 和田一郎
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