あなたの成長
「四人の男が中風の人を運んで来た。しかし、群衆に阻まれて、イエスのもとに連れて行くことができなかったので、イエスがおられる辺りの屋根をはがして穴をあけ、病人の寝ている床をつり降ろした。」
(マルコ2:3,4)
高座教会にはたくさんの数の小グループがあります。また1つの働きや目的に向かって力や知恵を合わせて実行していく、委員会や小会、そして様々な奉仕の働きがあります。
働きの中では、一見、無理なように見えることでも、屋根から入る可能性について提案し、みんなでやってみることによって、実現していくこともあるのではないでしょうか。
イエスさまは、そうしたみんなの信仰を見てくださり、喜んでくださり、御業を表わしてくださることを、この福音書を記したマルコは私たちに伝えています。
まさに「ひとりよりもふたりが良い。共に労苦すれば、その報いは良い。倒れれば、ひとりがその友を助け起こす。」交わりです。
ヘンリ・ナウエンがこんなことを語っていました。「あなたの成長は、ほかの人の中で成長することなしにありえません。あなたは、体の部分だからです。あなたが変わるとき、体全体が変わります。
ですから、自分が属している、より大きな共同体と深くつながっていることは、非常に大事なことです」と。
聖書は、教会はキリストの体で、私たちはその体の各器官だ、と教えています。私だけが立派になって力強くなって大きくなるということは、他の器官も同時に成長しなければ不可能なことです。
ですから、全ての教会員は、ある意味で、体全体の成長と健康に責任があるのではないでしょうか。
勿論、この中風の人の罪の赦しと癒しとは、本人の問題ですから、4人が彼に代わって信仰の応答をすることは出来ません。起きて床を取り上げることは、あくまでも中風の人に向けて、「わたしはあなたに言う」と問われています。
彼に代わって4人が床を取り上げることは出来ない世界なのです。しかし、その手前まで、イエスさまの前につり降ろすこと、このことは皆で協力し、支え合うことができるのです。
そうした交わりの中で支え合い、祈られている中で、この中風の人にイエスさまの御言葉が語られ、彼は主体的に、自分のこととして御言葉に応答していきました。
中風の人にこの4人が必要であったように、自分にとっての「4人の友」があり、また、この群れの中に私を友として必要とする兄弟姉妹がおられるという、キリストの体を実際に経験する場、それが主にある交わりとしての小グループであり、具体的な奉仕の場です。
そのことを心に留めながら、お互いの交わりのために祈り求めていきたいと思います。
いってらっしゃい。
牧師 松本雅弘