聖書は神さまの手紙

「イエスはお答えになった。『人はパンだけで生きるものではない。神の口から出る一つ一つの言葉で生きる』と書いてある。」(マタイ4:4)

 C・S・ルイスの名著に『悪魔の手紙』という作品があります。スクルーティプという名前の悪霊と甥のワームウッドという名前の、これまた悪霊との間に交わされた往復書簡という形で書かれていきます。
 悪霊ですから、彼らにとっての敵は神さまです。彼らの使命は人間をこの「敵」すなわち神さまから守ることです。
どのようにしたら敵から人間を守ることが出来るのか、ということを経験豊かな叔父のスクルーティプが、甥のワームウッドに手ほどきする形で作品は進んでいきます。例えば、こんな言葉が出てきます。

「彼らが敵自身(神さま)に注意を向けている時はいつもわれわれの負けである。しかしそうさせない方法がある。いちばん簡単な方法は、彼をみつめずに自分自身をみつめさせることである。・・」とか、

「われわれの仕事は彼らを永遠から、そして現在から遠ざけることである。この目的を持ってわれわれは時々人を(たとえば未亡人または学者を)過去に生きるよう誘惑する。
しかし、これには限られた値打ちしかない。というのは、彼らは過去について幾分真の知識を持ち、その知識は決定的な性質を持ち、その限りでは永遠に似ているからである。
彼らを未来に生きさせる方がはるかによい。・・」

 ルイスは、この作品を通し、私たちがどのような仕方で常に誘惑にさらされているのか、ということを記し、その逆を行くようにということを示したかったのでしょう。
 悪霊同士が手紙をやり取りして、これだけ真剣になって「敵」である神さまの働きの邪魔をすることに精力を注いでいたとするならば、私たちもそれ以上の熱心さをもって、
真の敵である悪魔に対抗するためにも、「神の手紙」である聖書を熱心に読みたいと思います。

 いってらっしゃい。

 牧師 松本雅弘

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