善悪の知識の木

「園のすべての木から取って食べなさい。ただし、善悪の知識の木からは、決して食べてはならない。」(創世記2:16−17)

 アダムとエバは、神さまとの親しい交わりの中、神さまが創られたエデンの園で、日々、充実した毎日を過ごしていました。
 この時、神さまは、エデンの園という最高の生活環境、恵まれた環境の中ただ寝て暮らすだけではなく、エデンの園を御心のままに管理するという使命、そして使命に専念できるように豊かな食物が与えられました。
さらに苦楽を共にするパートナー、さらに神さまとの生きた交わりも備えられていました。こうした1つひとつの恵みを味わいつつ生きていたのです。
 一日の働きを終えた2人は園の中央にやって来て「神さま、今日の1日をありがとうございます。あなたは、このように豊かな恵みで祝してくださっています。
これだけ良くしてくださるあなたの恵みに私たちも応えていきたいと思います」と祈ったに違いありません。
そして目を上げると、そこに善悪の知識の木が立っています。その木を見ながら2人は、「園のすべての木から取って食べなさい。ただし、善悪の知識の木からは、決して食べてはならない。」と語られた戒めの御言葉を思い出すのです。

「ああ、神さま、あなたを本当に愛しています。あなたが求めることをいたします。あなたの戒めを守ります。私たちにとってあなたは、掛け替えのない大切なお方ですから」と言って、戒めの言葉を思い起こし、その木の実を食べずに立ち去ったでしょう。

 つまり2人は主の戒めを守ることにより、恵み豊かな神への感謝と愛を表明することが出来たのです。それによって神さまとの交わりが、より深いものへと導かれていきました。
 善悪の知識の木が植えられた園の中央とは、まさにアダムとエバにとっては神さまの恵みに応答する場、すなわち神さまと交わり、神さまを礼拝する大切な場だったのです。

 いってらっしゃい。

 牧師 松本雅弘

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