その日の苦労は、その日だけで十分
「あなたがたの天の父は、これらのものがみなあなた方に必要なことをご存知である。何よりもまず、神の国と神の義を求めなさい。そうすれば、これらのものはみな加えて与えられる。
だから、明日のことまで思い悩むな。明日のことは明日自らが思い悩む。その日の苦労は、その日だけで十分である。」(マタイ6:32−34)
先日の「天声人語」はホッと息をつかせる内容でした。
それはSF小説『火星人』に登場する、ひとり火星に残された宇宙飛行士の話から始まります。
彼は、基地から一歩外に出たら死んでしまう状況の中、限られた食料でどう生きるか、水の確保はどうするかに頭を悩ませる一方で、
そんな中、唯一の慰めが死んだ仲間の飛行士が残した電子書籍や音楽を見つけることでした。
先週、緊急事態宣言が出され、人によっては宇宙ステーションに居る飛行士のような生活を強いられています。ある人が元飛行士に心構えを訊きました。
すると、「とにかく日課を決めること。決まった時間に起き、決まった時間に眠ることだ」という答えが返ってくる。
元潜水艦長に尋ねると「使命を確かめるのが大事」との助言が返ってきたそうです。今の私たちに当てはめれば、自粛することで人々や医療関係者を守る使命と言ったところでしょうか。
インドでは外出した人を警官が棒で叩き、「戦時下だ」と訴える国のリーダーもいる。そうした上で「天声人語」は「1人ひとりの行動で乗り切りたい。
家の中を探し、しばらくぶりの本や音楽に出会うのも悪くない。火星と違い、窓やドアを開け外の空気を吸うこともできる」と結んでいました。
読みながら、私たちや世界を誰よりも心にかけておられるイエスさまだったら、何を語られるだろうか、と考えました。その時、心に浮かんだのが今朝の御言葉です。
今日の一日、この御言葉を思い巡らしつつ歩んでいけたらと思います。
いってらっしゃい。
牧師 松本雅弘