この時のためにこそ

「この時のためにこそ、あなたは王妃の位にまで達したのではないか。」(エステル4:14)

 神の摂理で王妃となった人エステル。ある日、国の高官ハマンがユダヤ人撲滅を謀ります。それをいとこモルデカイが知りエステルに迫る言葉が今日の御言葉です。
ところで、エステル記は10章にわたる書ですが「神」という単語が一度も出てきません。では神さま不在だったのでしょうか。決してそうではありません。
エステル記を読むならば、一つひとつの出来事の背後に、確実に神さまがおられ、そのお方の御手の働きを知らされるのです。
そもそもエステルがモルデカイの子として育てられたこと。美しい娘であったこと。王妃になったこと。そのタイミングでユダヤ人撲滅計画が発覚したこと等。
プラスのこともマイナスと思えることも、全ての事柄があい働いて益として用いられている様子を知らされるのです。
撲滅計画を知ったモルデカイはエステルに「今、ユダヤ民族を救うことが出来るのはあなたしかいない。この時のためにこそ王妃の位にまで達したのではないか」と迫りました。
エステルに与えられた美しさは、その美しさをもって他の女性と競うためのものではありませんでした。王を喜ばせるだけのものでもなかったのです。
ユダヤ人が滅ぼされるかもしれないという歴史的危機に直面し、主なる神さまが、「この時のためにこそ」という意図をもって、エステルに授けてくださった大切な賜物だったのです。
そして勿論、エステルに与えられていた王妃という恵まれた立場も、「この時のためにこそ」、神から授かった立場でした。
今、あなたは、「この時のためにこそ」と言われる「時」に直面していませんか?
「この時のためにこそ」、いま特別に授かっている立場や賜物はないでしょうか。神さまの視点で今の状況をはっきりと見せていただく信仰の目を祈り求めていきたいものです。

いってらっしゃい。

牧師 松本雅弘

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