「変化」に耐えうる生き方
「そこで、わたしのこれらの言葉を聞いて行う者は皆、岩の上に自分の家を建てた賢い人に似ている。雨が降り、川があふれ、風が吹いてその家を襲っても、倒れなかった。岩を土台としていたからである。」(マタイ7:24−25)
以前、アメリカ人の医者スペンサー・ジョンソンさんが書いた『チーズはどこへ消えたのか』を読みました。この本を読んだ多くの読者の人生が変わったというふれこみで、大ベストセラーとなっていました。
2匹のネズミと2人の小人が「迷路」のなかに住み、そして「チーズ」をもとめて探しまわるという物語です。
「チーズ」とは、私たちの人生で求めるもの、つまり仕事、家庭、財産、健康、精神的な安定・・・等々を象徴し、「迷路」とは、チーズを追い求める場所、つまり、会社や、地域社会、家庭・・・等々の象徴だそうです。
結局、この物語は、私たちを取りまく急激な社会変化に、どのように対応していくべきかを考えさせるものでした。ネズミは条件反射的に生き、そしてチーズにありつきます。
しかし小人の1人は、そこで状況を分析することで忙しく、結局、チーズにありつけませんでした。ネズミや小人の姿と私自身がダブって見えて、とても面白い本でした。
私たちの周りにたくさんの「変化」があります。まさにコロナ禍の2020年でしたから。そして「変化」に不安を覚えることもあります。でも「変化」はしばらくすると落ち着いてくるのかもしれません。
しかし、このような時代だからこそ、変わることのないものを土台とすることこそ、「変化」に勝利する唯一の道であることを確認したいと思うのです。
最後に、信仰の先達の祈りをもって文を閉じましょう。
「神さま、変わることのないものを守る力と、変えるべきものを変える勇気と、この2つのものを識別する知恵をお与えください。」
いってらっしゃい。
牧師 松本雅弘