知らされた一つのことを大切に
「主よ、あなたの御言葉のとおり/あなたの僕に恵み深くお計らいください。」(詩編119:65)
聖書に聴く生き方の基本は、聖書を読んで心に響いたそのことを、しっかりと受けとめ、それに対して応答していくことです。神さまは、今日のあなたにとって一番必要なことを、聖書を通して心に語りかけておられるからです。
証しをすると、求道者の質問に答えられない自分と出会います。でも1から10まですべてを知らなくても心配しないでください。牧師である私もあなたと同じで、全部知っているわけではありませんし、そのことは不可能だと思います。
それほど信仰の世界は豊かなものですから。
例えば仮に「十知らなければならない」と言うのでしたら、「一つを知っている」人にとっては、「知らない九つ」を知る事が大事なことになります。その結果、「自分はまだまだだ」と思います。
でも、聖書はそういうことを教えていないのです。その人その人に対して、神さまがぜひ知らせたいことがある。それを知ったなら、それに誠実に取り組み、それを知らせてくださった神さまに真剣に応答していくことです。
何故でしょう?そのことを投げかけてくださる神さまは、私のニーズを良くご存知の上で、その御言葉を与えておられるからです。
私たちの心が飢えて、私たちの心が疲れ、このままでは途中で倒れてしまうことをご存知の上で、私たちに必要な恵みを備え、与えようと、憐れみ、心配しておられるお方が私たちの神さまだからです。
ところが、「知らされた一つのこと」に真剣に応答せずに先延ばしにしていると、次第に心が鈍感になっていくのです。今まで、聖書の言葉が心に響くことがあったのですが、次第に響くことが少なくなるのです。
ですから、「知らされた一つのこと」に誠実に応答していくことこそ、聖書に聴く生き方の基本なのです。
いってらっしゃい。
牧師 松本雅弘