自分の言葉をもつ

「神の恵みによって、今の私があるのです。」 （コリントの信徒への手紙一15章10節）
　平凡な言葉でも、自分にとって大切な言葉がある。あなたには大切にしている自分の言葉ってありますか？ 「恵み」それは、平凡な言葉でした。「親切」とか、「感じの良いこと」という意味で、ローマ社会で日常使われていた言葉でした。パウロという人は苦労を重ねた人ですが、その言葉が自分にとって特別な言葉になっていました。自分にとって励ましとなり、力を与えてくれる言葉になっていったのですね。ですからパウロの手紙を読んでいると、「恵み」という言葉をよく目にします。パウロはユダヤ人以外の人々に福音を伝える働きを与えられました。自分で勝手に決め込んだ自分本位の役割ではなくて、神さまから一方的に与えられた役割でした。パウロはそれを「恵み（ギリシャ語で「カリス」）」と呼んだのです。恵みとは、神さまからの一方的な賜物として与えられるものであり、恵みをいただく手段は信仰。しかし、実はその信仰そのものも神から与えられる賜物であるとパウロは考えていました。そして、その「恵み」が欠けだらけの自分に与えられるのは、自分の側にその値打ちがあるからではなくて、神の御心によって与えられるものだと、パウロは神の恵みに感謝していました。求めれば与えられる。自分にとって励ましとなる言葉、自分の言葉は神さまがくださいます。御言葉を求めていきましょう。
《祈り》イエスさま、あなたは言葉でサタンを退けました。大切な言葉があなたを守りました。主よ、あなたが与えて下さった言葉によって、私を守ってください。励ましを与えてくださいますように。
牧師　和田一郎
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