よろしく候(そうろう)

「また船を見なさい。あのように大きくて、風に激しくあおられていても、ごく小さな舵によって、舵取りの望む方に操られて行きます。」 (ヤコブの手紙3章4節)
 船を操縦する時の言葉で、主舵(おもかじ)、取舵(とりかじ)とよく聞きます。主舵(おもかじ)は右方向に、取舵(とりかじ)は左方向に舵を切る、日本独特の呼び方なのだそうです。もともと方角を干支(えと)の十二支に当てはめて、卯(う)の方向へ舵を切る「卯の舵(うのかじ)」が徐々に転じて「主舵(おもかじ)」と呼ばれるようになり、酉(とり)の方向へ舵を切ること「酉の舵(とりのかじ)」が「取舵(とりかじ)」と呼ばれるようになりました。「主舵いっぱい!」とは右方向に舵を限界まで回せということです。 ちなみに、「ヨーソロー」という号令は、方角を正確に維持しながら真っ直ぐ進ませるための号令で、その状態を表すそうです。さらに「ヨーソロー」は、船乗りとは 左右にフラフラすることなく、信念を持って目標に向かって進むのだという船乗り精神(シーマンシップ)が込められているそうです。その語源は、幕末の船乗りたちが命令を出したあと「よろしく候(そうろう)」と付け加えたという説があるそうです。「この方角へ、真っすぐに、よろしく候」。なにか相手への信頼がにじみ出ていて、いい言葉です。  新約聖書ヤコブの手紙では、口から出てくる言葉で過ちを犯さないように教えています。言葉を感情まかせにしないでしっかり管理しなさいと。小さな口は、船の舵そのものです。口から出る言葉は体全体に影響します。口からは「喜びの言葉」も「呪いの言葉」も出てくるのです。それによって生活を豊かにもしますし、争い事になることもあるのです。「口は禍の元」とも言いますから、船の舵のようにしっかり操縦しなければいけません。 「悪い言葉を一切口にしてはなりません。口にするなら、聞く人に恵みが与えられるように、その人を造り上げるために必要な善い言葉を語りなさい。」(エフェソ4:29)
《祈り》言葉で御業をなされる主よ、あなたが口にされる言葉には力があります。常に正しく愛に満ちています。それとくらべて私の口は不完全ですが、あなたが私を言葉で造り上げてくださるように、私の口が何かを造り上げる、必要な言葉を語れるようにしてください。
牧師 和田一郎
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