母の名言

「娘よ、私は、あなたが幸せになれるような安らぎの場を探さなければなりません。」 (ルツ記3章1節)
 東北の田舎に住む、ある母は言いました。「こんどのことはあんたにしては上出来じゃったの」と、東京から結婚相手を連れてきた息子に母は褒めて次のように言うのです。 「手紙で、およその見当はついたけど、料理屋さんにいた人というんじゃもの、見るまでは心配で、まだ見ぬ人を夢にまで見たよ。だけど、苦労した人は、どこかふつうの娘さんとちがうもんじゃあ。大事にせないかんえ。あの人の気立てに甘えたらいかんえ。」 わが息子の選んだ嫁の人柄に感心して、だからこそ甘えてはいけないという母心です。 「あの人の気立てに、甘えたらいかん」とは、息子のことを戒めつつ、嫁になる女性のことを敬う優しさがうかがえます。夫婦を見つめる母の名言だと思いました。 旧約聖書に出てくるルツ記は、ナオミという姑と嫁のルツとの愛情に満ちた物語です。ナオミは嫁のルツが夫をなくして未亡人となった後も彼女の幸せを考えました。そして、ナオミは「主は、生きている者にも死んだ者にも、慈しみを惜しみませんでした。」(ルツ記2:20)と、主なる神さまに信頼することを教えました。ルツも姑のナオミの信仰を忠実に受けとめました。神の愛を知る母の愛、そして苦労に裏うちされた言葉が、ルツと新たにパートナーとなったボアズという夫との出会いと絆を確かなものとしていったのです。
《祈り》主よ、あなたが私たちを愛してくださったように、母は家族のために尽くしてくれました。母の愛と忍耐は、あなたが「神の家族」に示した愛と忍耐と重なります。母やあなたが与えてくださった愛を、忍耐の種とすることができますように。
牧師 和田一郎
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