自分にできることで

「さて、アレクサンドリア生まれのユダヤ人で、聖書に詳しいアポロと言う雄弁家が、エフェソに来た。彼は主の道をよく学び、イエスのことについて熱心に語り、また正確に教えていたが、ヨハネの洗礼(バプテスマ)しか知らなかった。このアポロが会堂で堂々と教え始めた。これを聞いたプリスキラとアキラは、彼を招いて、もっと正確に神の道を説明した。」 (使徒言行録18章24-26節)
 キリスト教宣教の歴史において、女性たちは社会的地位が低いという境遇にありながらも、大きな役割を果たしてきました。プリスキラという女性も、夫アキラとともにパウロの宣教を支えました。パウロがコリントの町にやって来たとき、家に招き入れ滞在するように勧めてパウロと1年半生活を共にしました。 その後プリスキラ夫妻はエフェソに拠点を移しますが、そこにアポロという人物がやってきました。彼はエジプトのアレクサンドリア生まれでした。アレクサンドリアは大学、図書館、博物館があり、学問が発達した文化都市でアポロはとても雄弁でした。「彼は主の道をよく学び」とありますが「主の道」というのはキリストの福音のことです。しかし「ヨハネの洗礼(バプテスマ)しか知らなかった」ことにプリスキラたちは気づきました。アポロはイエスさまのことを救い主だと信じていました。しかし、聖霊に満たされるということについて知りませんでしたし体験もしていなかったのです。自分の罪がイエスさまによって赦されていることに感謝し、神の子とされている恵みを喜ぶ。それは聖霊の働きだからです。 そこで、プリスキラ夫妻はアポロを自分の家に招きました。そして、イエスさまの救いに関するより正確な教えを伝えました。それを素直に受け入れたアポロは、コリントへ伝道者として渡ります。その際、プリスキラたちはアポロが快く迎え入れてもらえるように紹介状を渡しました。そして、他のクリスチャンたちと共に彼を励まし送り出しました。 プリスキラは普通の主婦でした。そして天幕作りの夫の手伝いをしていました。パウロやアポロのように聖書教育を受けていたわけではありません。しかし、彼女は自分にできることで神さまのお手伝いをしようと考えたのです。
《祈り》神さま、一般信徒である主婦プリスキラがしたことは、パウロを家に招くことでした。アポロのために紹介状を書き、他の信者たちと共に励まして送り出すことでした。この私も自分にできることを祈り求めます。どうぞ用いてください。
牧師 和田一郎
ご感想は下まで(スマホ・パソコンの方向けです) forms.gle/EkE9N8gDaJQ7ee2L9
発行者名 高座教会 www.koza-church.jp/