野の花のような純真
「なぜ、衣服のことで思い煩うのか。野の花がどのように育つのか、よく学びなさい。働きもせず、紡ぎもしない。しかし、言っておく。栄華を極めたソロモンでさえ、この花の一つほどにも着飾ってはいなかった。今日は生えていて、明日は炉に投げ込まれる野の草でさえ、神はこのように装ってくださる。」 (マタイによる福音書6章28-30節)
羽仁もと子(1873-1957年)は、「婦人之友社」「自由学園」「友の会」の三つの団体の創立者として知られています。その働きの中にあるキリスト教精神は、今もそれらの団体と共に生き続けています。もと子の信仰が深まったのは、次女の凉子を風邪をこじらせて亡くした出来事でした。2歳にも満たなかった娘は、風邪で40度の熱だし、いくどか下がることもありましたが、またすぐに上がった。もと子は原稿の執筆にかかりきりになり、十分凉子の世話ができないまま容態が悪化し、夫婦で娘の左右の手を握りながら息を引きとった。呼んでも応えない遺骸に向かって何度その名を呼び、冷たくなっていく頬に触れ愕然としたという。自分自身を責め、この出来事を通して彼女は自分自身の中に、神を求める祈りを見いだし、祈りは特別なものではなく「少しでも理想をもっている人は、みな祈りつつ生きている」、「多くの人はみなその心の奥底に多くの祈りをもっている」と考えるようになったそうである。(「羽仁もと子の信仰形成と教育観」高橋和也より) 羽仁もと子は、野の花という、小さな命がただひたすら純粋に生きる様子を慈しむ詩を残しています。 「広い野原の一点地に、天命を楽しんで咲いている 野の花を見よ。ただ天地(あめつち)の力に信頼して、素直に使命を生きる外に 全然他意なきその純粋さを見よ。 私も野の花のような純真な思いが欲しい。安らかな野の花の姿で、多くの友の中にいよう。思い煩(わず)らいて自(みずか)ら生きようとする 私の中にまだ残る愚かなる心よ、 野の百合を見よ、空の鳥を見よ。」(羽仁もと子 一部抜粋) イエスさまの「思い悩むな」という教え中で、羽仁もと子は、神に信頼を寄せる野の花の純粋さ、純真さに目を向けました。野の花はただ純粋に神を信頼し、素直に生きていると、小さな命が豊かな自然の友の中にあって、思い煩うことなく生きている。その小さな命を慈しみ、その小さな命を装ってくださる神への感謝が伝わります。
《祈り》主よ、祈らせてください。この小さな者を見守ってください。この世の中にあって、裏切られ、見捨てられたとしても、この小さな祈りに応えてくださいますように。
牧師 和田一郎
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発行者名 高座教会 www.koza-church.jp/
羽仁もと子(1873-1957年)は、「婦人之友社」「自由学園」「友の会」の三つの団体の創立者として知られています。その働きの中にあるキリスト教精神は、今もそれらの団体と共に生き続けています。もと子の信仰が深まったのは、次女の凉子を風邪をこじらせて亡くした出来事でした。2歳にも満たなかった娘は、風邪で40度の熱だし、いくどか下がることもありましたが、またすぐに上がった。もと子は原稿の執筆にかかりきりになり、十分凉子の世話ができないまま容態が悪化し、夫婦で娘の左右の手を握りながら息を引きとった。呼んでも応えない遺骸に向かって何度その名を呼び、冷たくなっていく頬に触れ愕然としたという。自分自身を責め、この出来事を通して彼女は自分自身の中に、神を求める祈りを見いだし、祈りは特別なものではなく「少しでも理想をもっている人は、みな祈りつつ生きている」、「多くの人はみなその心の奥底に多くの祈りをもっている」と考えるようになったそうである。(「羽仁もと子の信仰形成と教育観」高橋和也より) 羽仁もと子は、野の花という、小さな命がただひたすら純粋に生きる様子を慈しむ詩を残しています。 「広い野原の一点地に、天命を楽しんで咲いている 野の花を見よ。ただ天地(あめつち)の力に信頼して、素直に使命を生きる外に 全然他意なきその純粋さを見よ。 私も野の花のような純真な思いが欲しい。安らかな野の花の姿で、多くの友の中にいよう。思い煩(わず)らいて自(みずか)ら生きようとする 私の中にまだ残る愚かなる心よ、 野の百合を見よ、空の鳥を見よ。」(羽仁もと子 一部抜粋) イエスさまの「思い悩むな」という教え中で、羽仁もと子は、神に信頼を寄せる野の花の純粋さ、純真さに目を向けました。野の花はただ純粋に神を信頼し、素直に生きていると、小さな命が豊かな自然の友の中にあって、思い煩うことなく生きている。その小さな命を慈しみ、その小さな命を装ってくださる神への感謝が伝わります。
《祈り》主よ、祈らせてください。この小さな者を見守ってください。この世の中にあって、裏切られ、見捨てられたとしても、この小さな祈りに応えてくださいますように。
牧師 和田一郎
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