パンの道のり (世界編)
「天の国は、パン種に似ている。女がこれを取って三サトンの小麦粉に混ぜると、やがて全体が膨らむ。」 (マタイによる福音書13章33節)
聖書にはパンの話がよく出てきます。パンの原料となる小麦を栽培して食べるようになったのは紀元前8千年前のこと。パレスチナからイラクにかけてのメソポタミアの地域、つまり創世記に出てくるアブラハムが旅した地域でパンは発展しました。古代の人々は小麦を石うすで粉にして、水を加えて焼くだけで“せんべい"のようにして食べ始めました。 その後、パンづくりは古代エジプトへ伝わります。小麦粉に水を加えただけのパン種を放っておくと、空気中の酵母菌がついて自然に発酵し、翌日それを焼いてみたら、ふっくらして美味しかったのです。出エジプト記に出てくるイスラエルの人々も、このふっくらしたパンを日常食べていたのですが、エジプトを脱出する時は緊急事態だったので、発酵していない種なしパン、つまり“せんべい"のようなパンを持って脱出したのです。 ユダヤ人が過越しの祭りをする時は、出エジプトの時の神様の恵みを忘れないように種なしパンを食べるのですね。パン作りは、エジプトから古代ギリシャに伝わり、ローマ帝国の支配が広がるとヨーロッパ全域に広がっていきます。中世のヨーロッパでは教会と修道院でパンを作り庶民に分け与えていました。パンは福音とともに世界へと広がっていったのです。 イエスさまも、神の国について日常の食べ物であるパンを用いて話されました。弟子たちの小さな働きはパン種に似ているのだと。当時は工業的に作られたイースト菌はありませんから、すでに発酵したパン生地の切れ端を、新しい生地に練り込んで、生地を膨らませてから焼いていました。すると、ふっくらと柔らかく膨らんで美味しくなったのです。 「福音」はパン種のように小さく、イエスさまと弟子たちは目立たない小さな集団でしたが、神の国はわずかなパン種で数えきれないパンが焼けるぐらい広がっていくのです。 「福音」というパン種が、私たちのかたくなな心の塊を柔らかく発酵させ、よい香を放つ美味しいパンにしてくれます。イエスさまは、そのために十字架で死んでくださいました。パン種も生地の中に混ぜられ消えてなくなります。自らの姿を失うことで美味しいパンが膨らんでいく。そのようにイエスさまは神の国を説いたのです。
《祈り》主よ、私のした善い行いは、すぐに消えてなくなります。それでも私の行いが神さまの御心に叶うものでしたら、それはいつか増え広がっていくでしょう。イエスさまが十字架にかかって死んでくださったことが「福音」として世界へ膨らんでいったように。
牧師 和田一郎
ご感想は下まで(スマホ・パソコンの方向けです) forms.gle/EkE9N8gDaJQ7ee2L9
発行者名 高座教会 www.koza-church.jp/
聖書にはパンの話がよく出てきます。パンの原料となる小麦を栽培して食べるようになったのは紀元前8千年前のこと。パレスチナからイラクにかけてのメソポタミアの地域、つまり創世記に出てくるアブラハムが旅した地域でパンは発展しました。古代の人々は小麦を石うすで粉にして、水を加えて焼くだけで“せんべい"のようにして食べ始めました。 その後、パンづくりは古代エジプトへ伝わります。小麦粉に水を加えただけのパン種を放っておくと、空気中の酵母菌がついて自然に発酵し、翌日それを焼いてみたら、ふっくらして美味しかったのです。出エジプト記に出てくるイスラエルの人々も、このふっくらしたパンを日常食べていたのですが、エジプトを脱出する時は緊急事態だったので、発酵していない種なしパン、つまり“せんべい"のようなパンを持って脱出したのです。 ユダヤ人が過越しの祭りをする時は、出エジプトの時の神様の恵みを忘れないように種なしパンを食べるのですね。パン作りは、エジプトから古代ギリシャに伝わり、ローマ帝国の支配が広がるとヨーロッパ全域に広がっていきます。中世のヨーロッパでは教会と修道院でパンを作り庶民に分け与えていました。パンは福音とともに世界へと広がっていったのです。 イエスさまも、神の国について日常の食べ物であるパンを用いて話されました。弟子たちの小さな働きはパン種に似ているのだと。当時は工業的に作られたイースト菌はありませんから、すでに発酵したパン生地の切れ端を、新しい生地に練り込んで、生地を膨らませてから焼いていました。すると、ふっくらと柔らかく膨らんで美味しくなったのです。 「福音」はパン種のように小さく、イエスさまと弟子たちは目立たない小さな集団でしたが、神の国はわずかなパン種で数えきれないパンが焼けるぐらい広がっていくのです。 「福音」というパン種が、私たちのかたくなな心の塊を柔らかく発酵させ、よい香を放つ美味しいパンにしてくれます。イエスさまは、そのために十字架で死んでくださいました。パン種も生地の中に混ぜられ消えてなくなります。自らの姿を失うことで美味しいパンが膨らんでいく。そのようにイエスさまは神の国を説いたのです。
《祈り》主よ、私のした善い行いは、すぐに消えてなくなります。それでも私の行いが神さまの御心に叶うものでしたら、それはいつか増え広がっていくでしょう。イエスさまが十字架にかかって死んでくださったことが「福音」として世界へ膨らんでいったように。
牧師 和田一郎
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