「役割を分かち合う」 その時モーセは考えた⑩

全12回 月曜-火曜
「それからあなたは、すべての民の中から有能な人、神を畏れる人、誠実な人、不正な利益を憎む人を選び出し、千人隊の長、百人隊の長、五十人隊の長、十人隊の長として民の上に立てなさい。」 (出エジプト記18章21節)
 出エジプト記18章は、信仰と働きが「組織される」ことの大切さを教えています。モーセは、イスラエルの民すべての訴えを一人で裁いていました。朝から晩までモーセの前には長蛇の列がありました。その姿を見て、舅(しゅうと)のエトロは深い危機感を覚えます。「このままでは、あなたも民も疲れ果ててしまう」。そこで示されたのが、役割を分かち合うという神知恵でした。 神は、群衆の中から「有能な人」「神を畏れる人」「誠実な人」「不正な利益を憎む人」を選び、千人隊、百人隊、五十人隊、十人隊の長として立てるように命じられます。ここで大切なのは、組織の基準が能力だけではないという点です。信仰と人格が、組織の土台とされています。組織とは効率化の道具ではなく、神の正義と憐れみを行き渡らせるための器なのです。 また、この組織はピラミッド型でありながら、同時に人に近い構造です。小さな問題は十人隊の長が担い、大きな事柄のみがモーセに委ねられる。これにより、民一人ひとりの声が埋もれず、同時に指導者も守られました。組織化は人を管理するためではなく、人を生かすために与えられた神の配慮でした。 教会や共同体においても同じことが言えます。すべてを一人で抱え込むと、使命は続きません。神を畏れ、誠実に仕える人々が役割を分かち合うとき、共同体は健やかに成長します。「組織する」とは、役割を与えて委ねることです。役割なき者は去っていきます。信頼して任せる所で人の賜物は輝きます。それは、神の民が共に歩み続けるための、愛に満ちた備えなのです。
《祈り》主なる神よ、私たちが一人で抱え込むのではなく、あなたを畏れ、誠実に仕える者として、互いに信頼し合い、役割を分かち合うことができますように。委ねる勇気と受け取る謙遜をお与えください。
牧師 和田一郎
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