憂いの横に人が立つ

「互いに重荷を担いなさい。そうすれば、キリストの律法を全うすることになります。」 (ガラテヤの信徒への手紙6章2節)
 「優しい」とは、“憂(うれ)いの横に人が立つ"と書く。それが優しさ。そんな言葉が浮かんだのが “りくりゅう"ペアでした。ミラノ・コルティナ五輪で金メダルを獲得した三浦璃来選手と木原龍一選手の二人。憂いを一人で抱えさせず、共に担うパートナーは「横に立つ」だけでなく「一緒に背負う」優しさがあったのだろうな、と思わされました。今回もっとも感銘を受けたのは、SP後に自分のミスから心が折れかけた木原選手を励まし続けた三浦璃来選手の優しさと強さです。多くのペアが、ミスをしたパートナーへの失望を隠せないそうですが、二人はお互いを信じて支え合っていた。 二人のコーチ、ブルーノ・マルコットは、2019年愛知県のスケートリンクで“りくりゅう"と出会ってからカナダに呼んで指導に当たっていました。ブルーノコーチは言います。「ペアでは自分だけではなく、相手のやることがキャリアにかかってきます。信頼とは、お互いがやるべきことを、きちんとやるだろうと信じること。そして何が起きても “相手のためにそこにいる" ということです」。 さらにブルーノコーチは、二人の演技を見ると、まるで彼らの家に招待されたかのような特別な気持ちになると語りました。つらい時も二人で乗り越えてきた。それをこれほど素直に氷の上で見せてくれるペアは、他にいない。見ている誰もが、まるで彼らの家族になったかのような気持ちで応援したくなるペア。 「優しいとは、憂いの横に人が立つこと」それが“りくりゅう"の最大の魅力なのですね。 聖書は「互いに重荷を担いなさい」と語ります。苦しんでいる人のそばに立ち、その人の痛みを自分のことのように受け止める生き方。そして「キリストの律法」とは、難しい規則のことではなく、キリストが示された「愛の生き方」です。イエスさまは人の弱さを放ってはおかず、共に歩み、支え、担ってくださいました。それがキリストの律法を生きるということです。誰かの重荷のそばに立つとき、そこに神の愛が現れるのです。
《祈り》神さま、私たちはそれぞれに重荷を抱えて歩んでいます。しかし、相手の重荷に気づかない私を憐れんでください。自分の苦痛には敏感ですが、他人の苦痛には鈍いのです。憂いのある人のそばに、そっと立つことができますように。
牧師 和田一郎
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