エースをねらえ!

「私の子よ、あなたはキリスト・イエスにある恵みによって強くなりなさい。そして、多くの証人の前で私から聞いたことを、ほかの人々にも教えることができる忠実な人たちに委ねなさい。」 (テモテへの手紙二 2章1-2節)
 私が中学・高校生の頃、スポコン漫画の名作が劇場用に映画化されることがありました。少女漫画でありながら印象に残ったのが『エースをねらえ!』でした。何といっても最終回の「岡、エースをねらえ!」という言葉が私を励ます言葉に聞こえました。 名門・県立西高校テニス部に入部した岡ひろみは、新任コーチ宗方仁に才能を見出され、一年生でありながら選手に抜擢されます。厳しい特訓、先輩たちからの嫉妬やいじめ、逃げ出したくなるような苦しみ。しかし、憧れていた先輩のお蝶夫人の真似ばかりしていることをコーチに指摘され、ひろみは、自分の可能性に目覚めていきます。 宗方コーチ自身も、かつて将来を嘱望された選手でした。しかし若くして病にかかり、余命を宣告されます。彼は残された時間を、次の人材を育てるために奉げることを決めました。そして出会ったのが岡ひろみだったのです。ひろみは、これほど情熱を傾けて才能を伸ばし、全日本強化選手にまで推薦してくれたのに、「私はコーチに何も恩返しできていない」と悩みます。けれど恋人の藤堂に「受けた愛が大きすぎて返せないなら、その技も心も次の人に渡せばいい」と言われ救われます。愛は、その人に返して終わるものではなく、次の誰かへ流れていくことで完成するのですね。 やがて、ひろみが世界へ羽ばたくその日、宗方は病床で日記を書き残し、息を引き取りました。ひろみが飛行機に乗り込む直前、宗方の声が聞こえた気がして振り向きます。「岡、エースをねらえ!」と。 自分にとって「エースをねらう」とは何だろう?エースとは、神さまから与えられた自分の使命を生きること。そして、その恵みを次の人へ手渡していくことではないでしょうか。使徒パウロも、若いテモテに語りました。「私から聞いたことを、ほかの人々にも教えることができる忠実な人たちに委ねなさい。」信仰も、知恵も、励ましも、そこで止めずに次へ託していく。それが神の国の広がりです。
《祈り》神さま、親から、恩師から、友から、教会から、そしてキリストから受け取ったものを胸に、今日また一歩踏み出せますように。神さまに託された、私のエースをねらえますように。
牧師 和田一郎
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