会っていたかもしれない

「エレミヤはヨシヤのために哀歌を詠んだ。男も女もすべての歌い手がその哀歌によってヨシヤを語り伝え、今日に至っている。それはイスラエルのしきたりとなり、『哀歌』に記されている。」 (歴代誌下35章25節)
 ある米国の政治記者が、英会話の面白い習慣を紹介していました。学校では初対面の人に “Nice to meet you."(はじめまして)と言うと習います。しかし、アメリカ政界では “Nice to see you."(お会いできてうれしいです)をよく使うそうです。政治の世界では、一度会った支援者や関係者を忘れてしまうのは失礼だからです。「初めまして」と「お久しぶりですね」の両方の意味を持つ “Nice to see you." の方が都合が良いというのです。 会っていたかもしれない?ふと聖書の中の二人の人物を思い浮かべました。預言者エレミヤとヨシヤ王です。聖書には、エレミヤがヨシヤ王の死を悼み哀歌を詠んだと記されています。しかし不思議なことに、二人が実際に会ったという記録はありません。ヨシヤ王は若くして神を求め、偶像礼拝を取り除き、宗教改革を進めました。一方、エレミヤも若くして神に召され、「私はまだ若いです」と戸惑いながらも預言者として立てられました。 エレミヤが召命を受けたのはヨシヤ王治世第十三年です。年齢もそれほど離れていなかったと考えられています。神殿で顔を合わせたり宗教改革について語ったりしたことがあるかもしれません。もちろん、それは想像に過ぎません。しかし、エレミヤがヨシヤ王の死を深く悲しみ、哀歌を詠んだという記録は確かにあります。共に同じ時代を生き、同じ神を見上げた同志を失った悲しみであったのではないでしょうか。天の御国で二人が再会した時、こう言葉を交わすかもしれません。「Nice to see you.(また会えましたね)」。
《祈り》主なる神さま。あなたが与えてくださる出会いを感謝いたします。今日も同じ信仰に生きる仲間たちと共に、あなたを見上げて歩ませてください。
牧師 和田一郎
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