不正の富で友を作ってよいのか?

「そこで、私は言っておくが、不正の富で友達を作りなさい。そうすれば、富がなくなったとき、あなたがたは永遠の住まいに迎え入れてもらえる。ごく小さなことに忠実な者は、大きなことにも忠実である。ごく小さなことに不忠実な者は、大きなことにも不忠実である。だから、不正の富について忠実でなければ、誰があなたがたに真実なものを任せるだろうか。」 (ルカによる福音書16章9-11節)
 近年、「トクリュウ」と呼ばれる匿名・流動型犯罪グループによる犯罪が問題になっています。一般の若者や経済的に困窮している人を「使い捨ての駒」にし、巧妙な手口で犯罪を行う。「よくそこまで考えたものだ」と驚かされます。ところが聖書にも驚く言葉があります。「不正の富で友達を作りなさい」と。もちろんイエスさまは、不正な方法でお金を得たり、それで人を買収したりすることを勧めているのではありません。直前の「不正な管理人」のたとえで評価されているのも、彼の不正ではなく、将来を見据えて、今あるものを賢く用いた「この世の知恵」のことでした。 「不正の富」とは、悪事で得たお金というより、この世の富を指します。それは、お金だけでなく、時間、仕事、能力、人間関係など、この地上で私たちに委ねられているものにも広げて考えることができます。一方で「大きなこと」とは、神の国に属する永遠のものです。私たちが持っているものは、いつかすべて手放さなければなりません。だからこそ、今与えられているものを、どう用いるかが問われます。仕事を誠実にする。約束を守る。自分の時間や財産を人のために用いる。そこに信仰は表れます。 「不正の富で友達を作りなさい」とは、つまり「神の知恵」だけではなく、この世の知恵さえも用いて、人を愛し、人を生かし、人とのつながりを築きなさいということです。地上の小さなことに忠実に生きることが、神の国という大きなものに忠実に生きることにつながっているのです。
《祈り》主なる神さま、あなたから与えられている富も、時間も、能力も、すべてあなたから委ねられたものです。それらを人を生かすために賢く用いることができますように。日々の小さなことに忠実に歩み、永遠に残る神の国を見つめて生きる者としてください。
牧師 和田一郎
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