我に向ひて光る星あり

「あなたの指の業である天を あなたが据えた月と星を仰ぎ見て、思う。人とは何者なのか、あなたが心に留めるとは。人の子とは何者なのか、あなたが顧みるとは。」 (詩編8編4-5節)
 家族で天体観測会に参加した時のこと。プロジェクターに映された「夏の大三角」を見ながら、星までの距離について解説を聞きました。わし座のアルタイルまでは約16光年、こと座のベガまでは約25光年だといいます。「えっ、意外と近い・・・」 アンドロメダ銀河の約230万光年などと比べれば、確かに近く感じられます。今見えているベガの光は、25年前に出発した光です。25年前といえば、私はまだ牧師になる前の独身で、会社の営業マンとして飛び回っていた時期。まさか、人生の後半で今のような生活をするなど考えもしなかった頃です。その時にベガを旅立った光が、今、私の目に届いている・・・。 「真砂なす 数なき星のその中に 我に向ひて光る星あり」正岡子規は病床で詠みました。 空には、砂粒のように数えきれないほどの星があります。その中の一つが、「我に向ひて」光っている。もちろん、星は私一人のために輝いているのではありません。それでも、その光を受け取る時、「この光は、はるかな時を越えて、今ここにいる私のもとへ届いた」と感じることができます。 詩編の作者も、夜空を仰ぎながら問いかけました。「人とは何者なのか、あなたが心に留めるとは」広大な宇宙から見れば、私たちの存在はあまりに小さなものです。人生の長さも、ほんの一瞬にすぎません。それでも神は、その小さな私たち一人一人に心を留め、かけがえのない一人として見つめてくださるのです。夜空を見上げる時、無数の星の中から光が届きます。そして聖書は、その光よりもさらに確かに語りかけます。 「あなたは小さくても、忘れられてはいない。わたしはあなたに心を留めている」と。
《祈り》神様。広い宇宙と数えきれない星々を造られたあなたが、小さな私にも心を留めてくださることを感謝します。時代も星の位置も移り変わりますが、あなたの愛は変わりません。どのような時にも、あなたのまなざしの中に生かされていることを信じ、希望をもって歩ませてください。
牧師 和田一郎
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