大切な一つを選ぶ

「主はお答えになった。『マルタ、マルタ、あなたはいろいろなことに気を遣い、思い煩っている。しかし、必要なことは一つだけである。マリアは良いほうを選んだ。それを取り上げてはならない。』」 (ルカによる福音書10章41-42節)
 スーパーの店頭に6種類のジャムを並べたテーブルと、24種類並べたテーブルを置いた。6種類のテーブルで試食した人の30%が購入したが、24種類のテーブルから買った人は3%だけだった。選択肢が多いと逆に選べない。行動にうつせない。米国コロンビア大学の「ジャムの法則」だそうです。 現代を生きる私たちは、溢れんばかりの選択肢に囲まれています。仕事、子どもの将来、親の世話、自分の老後設計や、趣味にいたるまで「あれもこれも」と手を伸ばし、気づけば心も時間もすり減っていることがあるのではないでしょうか。 新約聖書に登場する女性マルタも、まさにそんな一人でした。イエスさまを家に迎えた彼女は、最高のもてなしをしようと、あれこれと忙しく立ち働いていました。料理、片付け、もてなしの段取り・・・どれも大切なことのように思えます。しかし、彼女の心は次第に不満と思い煩いで満たされていきました。一方、妹のマリアは、ただイエスさまの足元に座って御言葉に聞き入っていました。 思い煩うマルタに、イエスは優しく語りかけます。「マルタ、マルタ、あなたはいろいろなことに気を遣い、思い煩っている。しかし、必要なことは一つだけである。」 イエスはマルタの奉仕を否定したわけではありません。選択肢の多さに心を奪われ、本当に大切な「主との交わり」を見失っていることを心配されたのです。私たちは、選択肢が多いほど豊かになれると考えがちです。しかし、魂の満足は、あれこれと抱え込むことではなく、人生の焦点をキリストという「たった一つの本質」に絞ることから始まります。 今日、溢れる情報を並べる手を少し止めてみませんか。そして、マリアのように主の前に静まり、最も良いものを受け取る時間を選び取りましょう。
《祈り》主イエスよ、私たちは多くのことに心を配るうちに、あなたとの時間を失ってしまいます。忙しい日々の中で立ち止まり、今、大切にすべきことを見分ける知恵を与えてください。
牧師 和田一郎
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