鉄を打ち直せ!

「彼らはその剣を鋤に その槍を鎌に打ち直す。国は国に向かって剣を上げず もはや戦いを学ぶことはない。」 (イザヤ書2章4節)
 8月のある日、中央林間駅前の図書館に行った。その月の礼拝で戦争の記憶を辿るための資料を探しに行ったのだ。戦争の悲惨さを伝える記録や、戦争によって傷ついた人々の書籍にまぎれて、かわいらしいネコと戯れる子どもの笑顔に引き込まれた。『ヒロシマ消えた家族』という写真絵本には、広島市で理髪店を営む父と母と4人の子どもたちの笑顔があった。父親が撮った写真には、今も昔も変わらない、子どもたちの笑顔や家族の日常があった。「これって、うちの家族写真と同じだな」と私は思ったが、次のページに「この家族は原爆で一家全滅しました。」との一文に絶句した。こんなことがあってはならない。 図書館に、戦争の悲惨さを伝える資料を探しに行ったのだが、その本には幸せがつまっていた。今と変わらない日常の家族が写っていて、不幸を見つけようとする卑しい心が私にあったことを気づかされた。 預言者イザヤは、イスラエルがアッシリア帝国の侵略にさらされる中で、すべての武器が鋤や鎌などの農具に打ち直されるという、終末の時にきたる「神の国」の風景を伝えた。「鉄」は打ち直すことができる。79年前、日本は「鍋」や、お寺の「鐘」を打ち直して武器を作った。今私たちは鉄を打って何を作り上げるのでしょうか。
《祈り》神よ、この自分という鉄を打ち直す力をください。「嘲りを微笑み」に、「無視を呼びかけ」に、「分裂を一致に」、「批判を理解に」、「世間体を真理に」打ち直して、今日歩んでいけますように。
牧師 和田一郎
発行者名 高座教会 www.koza-church.jp/