泣くのは嫌だ 笑っちゃおう

「荒れ野に主の道を備えよ。私たちの神のために 荒れ地に大路をまっすぐに通せ。谷はすべて高くされ、山と丘はみな低くなり、起伏のある地は平らに、険しい地は平地となれ。」 (イザヤ書40章3-5節)
 先週、作家・井上ひさしさんの話を書いていて「ひょっこりひょうたん島」(1964年からNHKで5年間放送)という人形劇番組の原作者の一人が井上ひさしさんであることを思い出しました。井上さんは、少年時代に母親の再婚相手から虐待を受けてノイローゼになり吃音になるほど辛い経験をしました。離婚して困窮した母が、ひさしさんをカトリック児童福祉施設へ預けてそこで育った。そこではカナダ人修道士たちの献身的な姿がありました。カナダから送られた高価な修道服の生地を、まず子どもたちの服に回し自分たちはボロボロの修道服で野菜を栽培して食べさせていた。その修道士たちの生き方に感動して、井上さんは洗礼を受けました。 作家になってからは教会に行くのは年に1~2回だったそうですが、その文章はいつも軽妙で分かりやすく希望を与える明るさがありました。そんな井上ひさし作の「ひょっこりひょうたん島」の主題歌の詩が私は大好きです。 波をチャプチャプ チャプチャプかき分けて【チャプ チャプ チャプ 】 雲をスイスイ スイスイ追い抜いて【スイ スイ スイ】 ひょうたん島はどこへ行く 僕らを乗せてどこへ行く ウウウー 丸い地球の水平線に 何かがきっと待っている 苦しいこともあるだろさ 悲しいこともあるだろさ だけど僕らは挫けない 泣くのは嫌だ 笑っちゃおう 進め~ ひょっこりひょうたん島・・・ 苦しいこと悲しいことがあっても、泣くのは嫌だから、笑っちゃおう、進め!という言葉に励まされ、辛い時にはいつも耳の中で鳴っていました。 預言者イザヤも人々を力強く励まし「荒れ地に大路をまっすぐに通せ」と告げます。荒れ地とは潤いのない、すさんだこの世の中のように荒れたところです。しかし、その荒れ地に大路を通せ、つまり「主なる神が通られる道を整えよ!」というのです。それはメシアの到来をも見すえた希望の言葉です。救いが到来するその時に期待して、道を広く、大きく、真っ直ぐ平らにせよと。主を待ち望む信仰を整えるように呼びかけているのです。
《祈り》神さま、人は独りでは生きていけません。人は励ましがなければ生きていけません。人は暗闇の中では生きていけません。人は心に明かりがなければ生きていけないのです。荒(すさ)んだ世の中に笑顔を、荒れ地に希望の大路を通せますように。
牧師 和田一郎
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