敵を滅ぼす最善の方法は?

「しかし、私は言っておく。敵を愛し、迫害する者のために祈りなさい。」 (マタイによる福音書5章44節)
 敵を滅ぼす最善の方法は、友に変えてしまうことです。 けれども、敵を愛することは簡単ではありません。自分を傷つける人に、私たちは仕返しをしたくなります。少なくとも、自分が受けた痛みと同じものを、相手にも味わわせたいと思うのです。しかしイエスさまは「敵を愛し、迫害する者のために祈りなさい」と教えられました。敵を愛するとは、その人のした悪を正しいと認めたり、傷ついていないふりをすることではありません。必要な距離を取り、正義を求めることも大切です。そして自分で復讐することを手放し、その人の裁きを神様に委ねるのです。 使徒パウロも、イエスさまの教えを受け継いで語っています。 「愛する人たち、自分で復讐せず、神の怒りに任せなさい。『「復讐は私のすること、私が報復する」と主は言われる』と書いてあります。『あなたの敵が飢えていたら食べさせ、渇いていたら飲ませよ。そうすれば、燃える炭火を彼の頭に積むことになる。』悪に負けることなく、善をもって悪に勝ちなさい。」 (ローマの信徒への手紙12章19-21節) 「燃える炭火を頭に積む」とは、相手を苦しめることではありません。思いがけない親切に触れた人が、自分の行いに気づき、悔い改めへと導かれることを表しています。 愛は、敵の心を変える可能性を持っています。そして同時に、憎しみに捕らわれている私たち自身の心をも変えていきます。相手を好きになれなくても、まずその人のために祈ることはできる。愛とは、感情が整うのを待つことではなく、神様に助けを求めながら、善を選び取ることだからです。 イエスさまご自身も、十字架につける人々のために祈られました。敵を滅ぼすのではなく、愛によって神の家族へと招いてくださいました。悪に悪を返せば、悪はさらに広がります。しかし、そこで善を選ぶなら、新しい道が開かれます。敵を愛することは、人間の力だけではできません。だからこそ私たちは祈ります。
《祈り》主よ、傷ついた私の心を癒やし、あの人をあなたの御手に委ねさせてください。 赦すことのできない私を憐れんでください。こうして、祈れることに感謝いたします。
牧師 和田一郎
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