どんな色にも染まらない

「あなたがたはこの世に倣ってはなりません。むしろ、心を新たにして自分を造り変えていただき、何が神の御心であるのか、何が善いことで、神に喜ばれ、また完全なことであるのかをわきまえるようになりなさい。」 (ローマの信徒への手紙12章2節)
 ある歌の歌詞が耳に残りました。「人に流されてた日々……自分自身を信じることで、すべてが始まる気がする。どんな色にも染まらない黒になろうと思った」(絢香「I believe」)。この歌が共感を得たのは、周囲の評価に流され「本当の自分」を見失いそうになる経験を、率直な言葉で歌っているからだと思いました。情報に翻弄される社会の中で、迷い、揺れ動いてしまう。その弱さは、多くの人が抱えているものです。 「黒はどんな色にも染まらない。」もう人に流されたくない、自分らしく生きたいという決意が込められていて、強さを誇るというより、流されないように立ち上がろうとする歌だと思いました。 パウロは、「この世に倣ってはなりません」と語ります。「倣う」とは、この世の価値観をそのまま自分の型として生きることです。しかし聖書が勧めるのは、ただ頑固に自分を貫くことでも、自分だけを信じることでもありません。「自分を造り変えていただく」とあるように、神によって心を新しくしていただくことです。 イエス・キリストは百パーセント神であり、同時に百パーセント人でした。ですからイエスさまは人間の弱さや迷いを知ってくださり、人々の評価に流されず、父なる神の御心に従い抜かれました。私たちも、どんな色にも染まらない強さを、キリストにつながることによって与えていただくのです。
《祈り》神様。私たちは、人の評価に流され、何色にでも染まってしまう弱さを抱えています。「どんな色にも染まらない」と願う者を、どうかあなたの御言葉の上に堅く立たせてください。頑なな心ではなく、聖霊によって新しくされた、しなやかで揺るがない心を与えてください。
牧師 和田一郎
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