神はよいお方
「夕方になって、ぶどう園の主人は監督に、『労働者たちを呼んで、最後に来た者から始めて、最初に来た者まで順に賃金を払ってやりなさい』と言った。」
(マタイ20:8)
神さまはどのような方ですか、と訊かれたら何をお答えになりますか?
ぶどう園の労働者の譬え話を読むと、神さまは本当に良い方だとつくづく思います。
なんでたった1時間しか働かない人が、1デナリオンも貰えるのでしょう。しかも、朝6時から汗水流して働いた者よりも先に同額の1デナリオンを貰う。
イエスさまは「このようになさるのが愛の神さまだ。神さまの恵みとは?本来こういうものだ」と教えておられるのです。
もしかしたら5時に雇われた人は、年齢制限を越え、私みたいに体のあちこちの「部品」が傷み始める中年だったかもしれない。そうであれば家には家族が何人かいたでしょう。
当時、日当を貰っても食べるのがやっとで、蓄えなどないのが普通です。朝6時から並んでいて、家族6人が食べられるのか、心配でしょうがなかった。
5時になってようやく声をかけてもらい、一瞬ホッしたかもしれません。でも1時間しか働けませんでした。
5時に雇われた人は計算したでしょう。当時は12時間労働でしたから〈12分の1の賃金しかもらえないかもしれない・・。12分の1の賃金で家族6人をどうやって養おう・・〉。
そのようにハラハラドキドキしながら朝から過ごしていた人を、最初に安心させ、喜ばせてあげたい、と考えたのがぶどう園の主人だったのです。
それだからこそ、皆と同額の1デナリオンを、それも最初に支払ってあげた。これが私たちの信じる神さまです。そのお方の愛の心ですね。
私たちにとっては常識外れ。でも愛の神さまにとって、これが当然のやり方でした。これが神の愛です。神の恵みなのです。
ところで、神さまはどのような方ですか?そうです。神さまはよいお方です!
いってらっしゃい。
牧師、松本雅弘