自分自身を愛する

「隣人を自分のように愛しなさい。」(マルコ12:31)

 学生の時、忘れることの出来ない1冊の本との出会いを経験しました。
 ワルター・トロビッシュの『自分自身を愛する』という本です。
大変うつくしい、ブロンドの髪の女性が、トロビッシュという牧師のもとに来て、自分が愛せないのです、と告白するところから、その本が始まります。
 その本の中で、「本当に大切な人を大切にできない」のは、実は自分を大切にできないからである、というのがこの本のメッセージでした。

 自分を大切にできていない人、つまり、自分をそのままで受け入れることできない私たちは一生懸命、何かになったときの自分を想定して、愛そうと努力します。
現状に不満をもっているからです。一向に心が満たされません。
 ですから、その満たされない心を他の人によって満たしてもらわなければならない。他の人を愛する代わりに、他の人に愛して欲しいと求めるのです。
愛は限りなく奪うのです。それを聖書では「エロス」の愛と呼びます。

 しかし、イエスさまは、「あなたがいてくれて本当によかった」と言ってくださるのです。これがイエスさまです。これを「アガペ」の愛と言います。
 ですから、このイエスさまに出会うことが、全てのことの始まりであります。
このイエスさまに労をとっていただき、イエスさまに大事にしていただき、イエスさまに愛していただく。
私たちが愛するのは、神が先ず私たちを愛してくださったからだ、ということが、個々に起こるわけです。
 そのようにして、すべての活動、すべての生活に先立って、まずイエスさまに愛され、イエスさまに大切にされていることを実感すること。
これが、無くてはならないもの。あなたにとって一番必要なものなのではないでしょうか!

 いってらっしゃい。

 牧師 松本雅弘

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