6つの特質
「「霊の結ぶ実は愛であり、喜び、平和、寛容、親切、善意、誠実、柔和、節制です。」(ガラテヤ5:22−23)
今日の箇所で興味深いのは、「霊の結ぶ実」と言った時の「実」は、単数形で書かれているということです。これは愛の実から始まり、次に喜びの実、平和の実というように順番に9つの実を結ぶというのではなく、私たちに1つの聖霊の実が与えられる。
そして「節制」というもの以外は、どれも横との人間関係において現れてくるものだということです。
つまり、聖書は、私たちがぶどうの木であるキリストにつながり、聖霊の実を結ぶときに、人との交わりのさまざまな局面において、ある時は、人の喜びを心から一緒になって喜ぶことが出来ること、
また、ある場面では、親切を必要としている人に対して、心からなる親切をもって接することが出来るなど、その場面々々において、聖霊の実が色々な形で現れてくるということでしょう。
そのような仕方で、私たちがぶどうの木であるイエス様につながることによって、イエス様が持っておられる実にあずかる者として、少しずつ造り変えられていくということでしょう。
このことを、少し角度を変えて専門に研究した方がいます。それはリチャード・フォスターという先生です。この先生がお書きになった『スピリチュアリティー成長への道』という本がはじめて日本で出版されました。
フォスター先生は、イエス様のご生涯を聖書から学んだときに、6つの特質がそこに現れていると言うのです。それは、祈る姿、罪と戦う姿、聖霊の力によって奉仕し病を癒すイエス様の姿、共感を持って人々を愛する姿、福音宣教に生きる姿、そして、体と魂が統合された姿だそうです。
これは、先ほどの、聖霊の結ぶ実が1つであり、その場面々々においてその現れ方が異なる、とお話ししたことと同様です。フォスターが紹介するイエス様に見られる6つの特質も、イエス様が遭遇する場面々々において、その現れ方が異なるのです。
ぜひ、わたしたちもキリストにつながり、1つなる聖霊の実を結ぶ者でありたいと思います。
いってらっしゃい。
牧師 松本雅弘