イエスのところに行ってごらん!

「疲れた者、重荷を負う者は、だれでもわたしのもとに来なさい。休ませてあげよう。」(マタイ11:28)

 ミヒャエル・エンデの『モモ』という作品をご存知ですか?
 モモは痩せっぽちで、ぼろぼろの服を着た女の子です。魔法が使えるわけではないのですが、不思議な子でした。
モモがいると、相手を殺してやりたいと思うほどの憎しみ合う二人も仲良くなり、モモが一緒だと子どもたちの遊びは素晴らしく楽しいものになります。
モモに話を聞いてもらうと、とても悲しくて人生を諦めかけた人でも、なぜか自分の中に力がわいていきます。
 ですから、モモを知った人の合言葉は「モモのところに行ってごらん!」でした。

 ところが、だんだんと街の様子が変わってきます。人々は、より幸せな人生、豊かな暮らしのため、忙しくなってきました。未来の成功のためには、時間を、一秒でも無駄にできません。
するとお金はたまり、生活は便利で快適になっていくのですが、反面人々はいつも落ち着かず、イライラし不機嫌になり、怒りっぽくなりました。
 物語では、それは灰色の防止に灰色の服を着た「時間泥棒」の男たちが人々の気づかぬ間に大切な時間を盗んでいたから、という話になっています。
モモはこの時間泥棒と戦い、彼らが人々から奪った時間を取り戻すというお話です。

 この作品は「一番確かで大切なものが分からなくなる時、人間はとても不幸になる」ということを訴えていると思いました。
 例えば、日常生活でも目的と手段が入れ替わることがよくあります。人のために律法があったのですが、律法のために、つまり規則のために人があるように勘違いしてしまうのです。
このような中で、モモの街の人々でしたら「モモのところに行ってごらん!」と言ったことでしょう。

 では、あなただったら何と言いますか? そうです。「イエスさまのところに行ってごらん!」ですね。

 いってらっしゃい。

 牧師 松本雅弘

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