主よ、祈りを教えてください

「あなたがたの父は、願う前から、あなたがたに必要なものをご存じなのだ。」（マタイ６：８）
　今日の聖句は、「主の祈り」が教えられる直前に、主がお語りになった言葉です。 イエスさまによれば、祈りとは、ちっぽけで取るに足りないと思われる私の必要を、実に神さまは知っていてくださる。そうしたお方に触れること、そしてそのお方を驚き、賛美することなのです。 ご存じのように、聖書とは神さまの自己紹介の書です。ですから、祈りとは、この聖書を通して神さまを知ること、キリストを知ることです。これが祈りのゴールです。 ですから、祈ることと聖書を読むこととは呼吸のようなもので、祈りが息を吐くことであれば、御言葉に聞くことは息を吸うことにたとえられます。 異邦人が考えるように神さまは私たちの願いで左右されるお方ではありません。そうではなく、むしろ私たちが神さまの願いや御心を反映させて生きるために、神さまの御心に触れる作業が祈りであると主イエスさまはここで説かれたのです。 ところで、大切なものは、最後の最後まで残るものでしょう。そう考えると、地上の生涯を終わり、天にまでもって行けるもの、最後まで残るものって何でしょうか。それは、神さまとの生きた関係でしょう。礼拝生活を通し、御言葉と祈りを通して培われた神さまとの関係です。そしてまた、主にある兄弟姉妹との関係でしょう。持ち物でも社会的地位でもありません。会社をやめれば、肩書きもなくなるわけですから。 でも最後まで消えないもの、それは「天に名が記されていること」、神さまとの関係において、私が神の子、主の弟子、イエスさまのものとされた私なのです。 今日、このことを心に留めて出かけていきましょう。
いってらっしゃい。
牧師　松本雅弘
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