いま自分のしていることを、愛するんだ

「イエスは、『よく言っておくが、あなたは今日私と一緒に楽園にいる』と言われた。」 (ルカによる福音書23章43節)
 「どこに行っても、いま自分のしていることを愛するんだ。」 「ニュー・シネマ・パラダイス」という映画が封切されてすぐ見に行った。第二次世界大戦直後のイタリアの田舎にある映画館。映画は唯一の娯楽で映画が終わると老若男女が一斉に拍手喝采、映画館は町の憩いの場でした。 その町にトトという少年がいて、映写技師アルフレードの仕事に興味をもっていく。戦争で父を亡くしたトトにとって彼は父のような存在で、映画とアルフレードが大好きだった。しかし、アルフレードは、頭のいいトトには自分のような映写技師になんてならないで、もっと勉強して広い世界で活躍して欲しいという思いがあった。 青年になったトトに、「この町に帰ってくるな。もし、淋しくなって帰って来ても、俺は絶対に会ってはやらない」と、冷たく突き放すのです。そして、「どこに行っても、いま自分のしていることを愛するんだ」と言って送り出しました。トトはその後、ローマで映画監督として大成功しますがアルフレードとの約束を守り、故郷の町には彼の死を知るまで30年間帰りませんでした。 イエスさまは、二人の強盗と一緒に十字架につけられていました。これまで相当悪いことをしてきた強盗ですが、イエスさまは彼らの「今」に目を向けました。そして、天国に行く時は、私を思い出してほしいと言う強盗に「あなたは今日私と一緒に楽園にいる」と天国を約束してくださったのです。この強盗は何かよいことをしたから天国にいけるのではありません。何もできませんでした。しかし今、目の前にいるイエスさまを信じたので天国に行けると、言って下さったのです。 私たちは今、現実を生きています。その現実は決して甘いものではないでしょう。しかし、「どこに行っても、いま自分のしていることを愛する」ことを望んでおられるイエスさまは、今も生きておられます。歴史上のキリストではなく、今目の前にいるイエスさまを愛することができたら、それは素晴らしい人生です。
《祈り》私の仕事は人に自慢できるものではありません。私の生活はとても人にお見せできるものではありません。しかし主よ、その仕事も生活も私は好きです。愛することができます。もちろん苦労はありますが、自分のしていることを愛していきます。
牧師 和田一郎
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