アクセルとブレーキ

「ぶどう畑の実を摘み尽くしてはならない。ぶどう畑に落ちた実を拾い集めてはならない。貧しい人や寄留者のために残しなさい。私は主、あなたがたの神である。」 (レビ記19章10節)
 新車を買った知人の車の助手席に座った。急ブレーキをかけた時、前のめりにカックンとなるかと思ったが、グィーンと減速してスーっと止まった。不快感がなく安定したままだった。最近の車のブレーキ性能は飛躍的に向上していて驚かされた。  世界は前進している。経済がアクセルだとすれば、信仰の役割りはブレーキです。無限に加速して暴走しようとする経済活動や個人の欲望に対して、信仰はブレーキをかけます。その御言葉を聞くことによって、我に返って反省することができるのです。 旧約聖書の時代、ぶどうの実を摘み尽くしてはならないという戒めがありました。自分の畑で育てた実を摘み尽くすのは当然の権利だと、当時の人も考えていたでしょう。そして、「もっと自分の収穫を増やせないだろうか?」と考えたはずです。自動車のアクセルを踏むように、その欲望は高まっていきます。しかし、神さまの御心はそれにブレーキをかけるものでした。「落ちた実を拾い集めてはならない」と。それも、ただスピードを落とさせるのではなく、「貧しい人や寄留者のために残しなさい。」と、温かい視野をもつように命じました。神さまの戒めは、最高のブレーキングシステムがスポーツカーを安全安心に制御するように、加速していくこの世界になくてはならないものなのです。
《祈り》私は蓄えた財産をしっかりと管理してきました。決して無駄にすることはありません。しかし「畑の実」は私の所有物ではなく、神さま、あなたの恵みだと気づきました。すべてのものは、あなたが造られたものですから、あなたの御心に従って分け合います。
牧師 和田一郎
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