夕べがあり、朝があった
「神は光と闇を分け、光を昼と呼び、闇を夜と呼ばれた。夕べがあり、朝があった。第一の日である。」 (創世記1章4-5節)
クリーニングの白洋舎を創業した五十嵐健治という人は、苦労を重ねたクリスチャン経営者でした。新潟で生まれて養子に出された家がとても貧しかったので、成績は良かったのですが、中学(今の高校)に進学するお金がないほどでした。日清戦争に出征した後、戦友と北海道の開拓地で仕事を見つけますが、そこは監禁状態で強制労働をさせるタコ部屋で、逃げたら殺される奴隷のような毎日でした。耐えきれずに脱走し徒歩で小樽まで50キロ。捕まったら半殺しにされるので逃げに逃げて、ようやく宿屋に泊めてもらった。無一文なのに夕食を食べ、翌朝になって「実はお金がないから、ここで働かせてください」と頼み込んで働いたのです。その宿屋の主人の部屋に聖書が置いてあったので、それをきっかけとして信仰へと導かれます。やがて、キリスト教伝道をするために事業を始めようと志し、礼拝をする日曜に休めて、さらにキリスト教伝道をすること、人の役に立つことを事業の目的として洗濯屋を始めます。当時は「洗濯屋、近所の垢で飯を食う」といわれるほど敬遠される仕事でした。それでも健治は当時まだ日本に無かったドライクリーニングを独学で研究します。石油系の溶剤を使うのでドライクリーニングは危険な仕事でした。さっそく事故をおこして健治も怪我をしました。事業が軌道にのると、会社乗っ取り事件が起こり、信頼していた責任者が社員の大半を連れてドライクリーニングを始めたのです。しかし、健治には信仰がありました。「闇で終わる一日はない、必ず朝がやって来る。」と。会社ではクリスマスを祝い、会社の敷地に礼拝堂を建ててキリスト教伝道のために人生を捧げました。 五十嵐健治の人生は、信仰をもって苦労が無くなったわけではありません。しかし、信仰をもっていたことで、どんなに辛い出来事があっても、朝が来ることを信じていられました。今日という日が、先の見えない闇の中であっても、神様は夕べの後に 必ず朝を与えてくださる。この神様に信頼していきたいと思います。
《祈り》神さま、この夜、目を覚まし眠れない者、一晩中泣きつづける者と一緒にいてくださいますように。駆け巡る思いに静まりを、砕かれた心に癒やしを与え、この夜を主の平安で満たしてください。すべてはあなたの愛のゆえに。
牧師 和田一郎
ご感想は下まで(スマホ・パソコンの方向けです) forms.gle/EkE9N8gDaJQ7ee2L9
発行者名:高座教会 連絡先:info@koza-church.jp 住所:大和市南林間2−14−1
クリーニングの白洋舎を創業した五十嵐健治という人は、苦労を重ねたクリスチャン経営者でした。新潟で生まれて養子に出された家がとても貧しかったので、成績は良かったのですが、中学(今の高校)に進学するお金がないほどでした。日清戦争に出征した後、戦友と北海道の開拓地で仕事を見つけますが、そこは監禁状態で強制労働をさせるタコ部屋で、逃げたら殺される奴隷のような毎日でした。耐えきれずに脱走し徒歩で小樽まで50キロ。捕まったら半殺しにされるので逃げに逃げて、ようやく宿屋に泊めてもらった。無一文なのに夕食を食べ、翌朝になって「実はお金がないから、ここで働かせてください」と頼み込んで働いたのです。その宿屋の主人の部屋に聖書が置いてあったので、それをきっかけとして信仰へと導かれます。やがて、キリスト教伝道をするために事業を始めようと志し、礼拝をする日曜に休めて、さらにキリスト教伝道をすること、人の役に立つことを事業の目的として洗濯屋を始めます。当時は「洗濯屋、近所の垢で飯を食う」といわれるほど敬遠される仕事でした。それでも健治は当時まだ日本に無かったドライクリーニングを独学で研究します。石油系の溶剤を使うのでドライクリーニングは危険な仕事でした。さっそく事故をおこして健治も怪我をしました。事業が軌道にのると、会社乗っ取り事件が起こり、信頼していた責任者が社員の大半を連れてドライクリーニングを始めたのです。しかし、健治には信仰がありました。「闇で終わる一日はない、必ず朝がやって来る。」と。会社ではクリスマスを祝い、会社の敷地に礼拝堂を建ててキリスト教伝道のために人生を捧げました。 五十嵐健治の人生は、信仰をもって苦労が無くなったわけではありません。しかし、信仰をもっていたことで、どんなに辛い出来事があっても、朝が来ることを信じていられました。今日という日が、先の見えない闇の中であっても、神様は夕べの後に 必ず朝を与えてくださる。この神様に信頼していきたいと思います。
《祈り》神さま、この夜、目を覚まし眠れない者、一晩中泣きつづける者と一緒にいてくださいますように。駆け巡る思いに静まりを、砕かれた心に癒やしを与え、この夜を主の平安で満たしてください。すべてはあなたの愛のゆえに。
牧師 和田一郎
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